シャプラニールのカトマンズ盆地におけるレストラン児童労働の予防と削減事業は、パートナー団体CWINとカトマンズ市、ラリトプール市、キルティプール市の3市に委ね、2015年2月に終了しました。現在、ネパールにおける児童労働削減を目的とした新たなプロジェクトの開始に向け、多くの子どもたちが都市へ働きに出ていると言われるマクワンプール郡での調査を実施し、事業計画を策定中です。

レストランで働く子どもの削減に向けて児童労働をモニタリングする委員会を市役所内に設置し、きちんと活動するようカトマンズ盆地内の3つの市役所に働きかけています。テレビやラジオCMを使って一般市民への児童労働への啓発キャンペーンを実施しています。
現地ルポ
目標を実現するために目指すこと
カトマンズ盆地のレストランで
働く子どもたちの人数を減らすこと
ネパールでは、5人に1人の子どもが働いています。ネパールは世界的に見ても児童労働が多い国です。
大規模なレストランや工場など行政に登録して営業する業種では、児童労働は減ってきていますが、家事使用人やポーター、小さなレストランや茶店など行政の目が届かない業種ではいまだ大きな社会問題です。
目標を実現するために目指すこと取り組んでいること
行政への取り組み
定期的に児童労働を調査・監視(モニタリング)する委員会を設置してもらうよう行政に働きかけ、児童労働を防止するための予算確保も目指します。
この委員会に対して子どもの権利や児童労働のモニタリング方法を学ぶ研修などを実施して、効果的なモニタリングが行われるよう行政の活動を支援します。
雇い主や社会への取り組み
リーフレットおよびポスターを作成して、レストランや茶店への配布・掲示し、児童労働の防止を広く呼びかけます。
また、児童労働をテーマとした短いドキュメンタリーCMをテレビやラジオで放送し、新聞などのメディアに意見広告を掲載します。児童労働防止の世論醸成を目指します。
働く子どもたちへの取り組み
チャイルド・ヘルプ・ライン(子どもたちからの電話相談窓口)の相談内容に応じて、衣服、医薬品、心理カウンセリング、家族との再会などの必要な支援を行います。
また、巡回を通じて見つかった子どもの救出、保護も行います。
パートナー団体
団体名 | CWIN-Nepal (Child Workers in Nepal Concerned Center、シーウィン・ネパール) |
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地域 | カトマンズ市、ラリトプール市、キルティプール市 |
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団体概要 | 1986年、ネパールの大学生によって設立。 子どもの権利促進のために活動する団体としては、ネパールにおけるパイオニア的存在。子どもの権利拡充のための啓発活動、政策提言を活発に行いつつ、ストリートチルドレンや働く子どもなど、厳しい状況に置かれている子どもたちへの直接的な支援にも取り組んでいる。 ネパール政府からの委託を受け、無料電話相談サービスである「チャイルド・ヘルプ・ライン」も運営している。現在、約160 人のスタッフを抱え、30の郡(DDC)で活動を展開。年間予算規模はおよそ1億1,000万円。 |
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