バングラデシュの家事使用人として働く少女への支援

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バングラデシュやネパールには成長・発達、保護、参加といった基本的権利を享受できない子どもたちが多く存在します。シャプラニールは子どもの権利の中でも成長を阻害する「児童労働」と、健全な発達や社会参加に欠かせない「教育」について、とりわけ行政やNGOの支援から取り残された子どもたちや地域を対象とした活動を行っています。

本プロジェクトでは、持続的な開発目標(SDGs)の17の目標(ゴール)のうち以下の解決を目指し、活動しています。
SGDsのゴール1SGDsのゴール4SGDsのゴール8SGDsのゴール10SGDsのゴール16SGDsのゴール17

バングラデシュに支援センターを設け、基本的な読み書きや家事の仕方、生活改善に必要な知識の習得を支援します。また、雇い主への家庭訪問と地域住民への意識啓発を行うことにより、少女たちを取り巻く人々の行動変化を促していきます。2015年に閣議決定された「家事使用人保護および福祉政策」が法制化され適切に実施されるよう行政へ働きかけます。(アドボカシー活動)

プロジェクト名称 (1)羽ばたけ、家事使用人の少女プロジェクト(支援センター運営、地域住民への啓発活動)
(2)家事使用人の少女たちに素敵な未来をキャンペーン(アドボカシー活動)
活動期間(1)フェーズ4:2020年4月~2022年3月 (調査フェーズ2006年~2007年、フェーズ1:2008年~2011年、フェーズ2:2012年~2015年、フェーズ3:2016年4月~2019年3月)
(2)2013年~
活動地域(1)ダッカ市内 3 カ所ダッカ市
(2)ダッカ市内、マイメンシン県、ネトロコナ県、ナワブガンジ県、チッタゴン県
予算規模(1)約1,022万円(2)約492万円(2020年度)
裨益者数(1)約1,000人(2)不特定多数
パートナー団体(1)Phulki(フルキ)>団体紹介
(2)パートナー団体無し(シャプラニールダッカ事務所単独プロジェクト)

私たちが活動で目指すこと

バングラデシュで家事使用人として働く少女が減ること


問題と背景

国際労働機関(ILO)の報告では、バングラデシュには家事使用人として働く少女が数十万人いるとされています。彼女たちは、閉ざされた室内で働くことを強いられることから、悲惨な状況下におり、教育の機会、子どもの権利を奪われています。

目標を達成するために取り組んでいること

少女たちへの取り組み

domestic_servant_02 支援センターを運営し、1年半のプログラム期間にベンガル語や英語などの読み書き、計算などの基礎的な内容を学べる機会を提供しています。また、思春期の身体の変化や性暴力をいかに防ぐかを学ぶ性教育や、身の回りを清潔に保ち病気を防ぐ衛生教育など生活向上に必要な教育を提供するほか、縫製やアイロンかけなどの技術研修、絵や歌・踊りなどを楽しむレクリエーション、運動会や文化祭などを実施しています。さらに、児童就労の定義から外れる14歳以上の少女に対しては、家事使用人以外の職業に就けるよう縫製や染色など専門的な技術研修を実施しています。

活動の成果
2020年1月の調査には、支援センター(3拠点)には128名が登録しており、うち46名が公立学校に通うことになりました。また勉強の得意な少女6名は支援センターでチャイルドリーダーとなり、先生のサポート役として授業を行っています。また技術研修を修了した少女の44%が研修で得た技術を活かし、少額の現金収入を得られるようになっています。
 

行政への取り組み

domestic_servant_03住民に対してリーダーシップ研修など行い、行政へ働きかける能力の向上を目指します。

雇い主や親への取り組み

domestic_servant_04雇い主への家庭訪問を継続して行っています。雇い主や親に対し、子どもの権利に関するワークショップを開催し、児童労働による弊害や教育の大切さを伝えます。

地域社会への取り組み

domestic_servant_05他のNGO、企業および地域住民より寄付を募り、地域住民が支援センターを自主的に運営できるように働きかけます。メディアや地方自治体などと共に、家事使用人として働く少女に関するワークショップを開催します。さらに、住民に対してリーダーシップ研修などを行い、行政へ働きかける能力の向上を目指します。各地区の自治会メンバーが少女のリストを各自管理し、支援センターを訪問して、授業や子どもたちの様子を見に来るような変化もみられています。

 

バングラデシュ社会に対する取り組み

domestic_servant_06家事使用人として働く少女に関するシンポジウムを開催し、NGO、国際機関、各省庁とのネットワーク構築を行います。また、新聞やテレビなどメディア掲載や広告を出稿し、家事使用人に関する問題意識を広めます。

連携実績例:
・ブログ「より多くの人に 知ってもらうためにーfacebookでクイズ大会を実施し12万5000人が視聴
・帰国報告会「ラジオで変える、バングラデシュで働く少女の未来

行政への取り組み

domestic_servant_06行政機関への定期的訪問、住民と郡や村などの行政関係者とのワークショップに取り組みます。また、2015年末に閣議決定された「家事使用人保護および福祉政策」が法制化されるよう、労働雇用省大臣との話し合いの場を作るなど、行政へのアドボカシーに力を入れています

企業・団体との協働

domestic_servant_06日本国内の活動では、さまざまな企業や団体からの寄付、物品寄付「ステナイ生活」の支援、現地の事業への直接支援などでご協力をいただいています。企業のSDGs、CSR活動についてのお問い合わせはこちらをご覧ください。

連携実績例:
・三菱商事株式会社コンピューター・グラフィックス・デザイン研修
・株式会社ボンマックス 「WORK4 BANGLA(ワークフォーバングラ)」プロジェクト


動画でみるシャプラニール


これまでの成果とSDGsへの貢献

重点分野のひとつ「子どもの権利を守る」取り組みが具体的にSDGsのどの部分の達成に貢献しているのか、該当するゴールとターゲットとその達成度を測るために設定された指標に照らし合わせました。

SGDsのゴール8「生きがいも経済成長も」該当ゴール 8
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

ターゲット 8.7
強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労を撲滅する。

どのような貢献をしているのか
家事使用人として働く少女たちが通う支援センターを運営する地域のうち、比較的長く活動を続けているアジンプール(2009年~)地区では、8~18歳の少女の数が146人(2016年) ⇒86人(2019年)と減少した。

関連資料
・会報南の風287号 特集:シャプラニールの活動から見るSDGs
・外務省公式サイト  日本のSDGグローバル指標の進捗状況について


現地活動ルポ


パートナー団体紹介

団体名 Phulki(読み方:フルキ、ベンガル語で“火花、煌めき”という意味)
団体概要働く少女たちが学び、遊ぶことのできるセンターを運営。法律で雇用が原則禁じられている14 歳未満の少女は学校教育への編入を促し、14歳以上の少女へは、将来他の職業に就くことができるように技術訓練を行っている。雇用主、保護者、地域住民が子どもの権利を守るよう働きかけを強化する。

困難な状況にある女性たちとその子どもたちの生活向上を目的に、1991 年に設立された現地NGO。縫製工場で働く女性のための工場内託児所や、スラム内での託児・幼児教育などを通して低所得層の働く女性たちを支援してきたほか、子どもたち自身が周囲の子どもに学んだことを伝えていくChild to Child アプローチによるスラムの衛生改善などを行っている。

社会への政策提言を重視し、企業にも積極的に働きかけた結果、ナイキなどバングラデシュ内に工場をもつ多国籍企業の多くが託児施設を設けることに同意した。

代表をはじめスタッフのほとんどが女性。シャプラニールを含め、多くの国際ドナーとパートナーシップで事業を進めており、専門的で質の高い活動が多い。

ご支援のお願い

シャプラニールは、皆さまからのご寄付やボランティアに支えられ、1972年より独立間もないバングラデシュの農村での活動から始まり、そして現在はネパールへも活動を広げ、現地の声を聞き対話を重ねながら、支援から「誰も取り残さない」活動を続けることができています。
これからもこの活動を続けるには、皆さまの継続的なご支援が不可欠です。子どもたちが適切な教育を受け、社会の一員となり生活することを支援するこの活動を、ぜひ一緒に支えてください。
ご支援の方法はいくつかあります。ご寄付(今回のみ、月々)、物品のご寄付など、ご都合のよいあなたのご支援で支えてください。どうぞよろしくお願いいたします。

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