バングラデシュの取り残された子どもたちへの初等教育支援

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バングラデシュやネパールには成長・発達、保護、参加といった基本的権利を享受できない子どもたちが多く存在します。シャプラニールは子どもの権利の中でも成長を阻害する「児童労働」と、健全な発達や社会参加に欠かせない「教育」について、とりわけ行政やNGOの支援から取り残された子どもたちや地域を対象とした活動を行っています。

本プロジェクトでは、持続的な開発目標(SDGs)の17の目標のうち、以下の解決を目指し活動しています。
SGDsのゴール1SGDsのゴール4SGDsのゴール10SGDsのゴール16SGDsのゴール17

シャプラニールがこれまで教育支援を実施してきた地域(ノルシンディ県、ディナジプール県)において、対象とするすべての子どもたちが教育を受ける権利を得て、初等教育を修了できる状態を目指します。当事者や小学校を含む地域社会への働きかけを行う他、2事業地の経験交流によるグッドプラクティス(優れた取り組み)の共有を行います。さらに、初等教育から取り残されやすい子どもたちの状況について中央行政を含む各行政レベルに対し広く情報発信を行い、行政に必要な視点や支援の在り方についてアドボカシー活動を行います。

プロジェクト名称 すべての子どもたちが学校に通うためのプロジェクト
活動期間2021 年 3 月~ 2024 年 2 月 (3 年間)
活動地域・ディナジプール県ディナジプールショドル郡の8ユニオン(行政村、バングラデシュにおける行政の最末端単位)
・ノルシンディ県ライプラ郡の 1 ユニオン
・ダッカ市
予算規模約2,429万円(2021年度)
裨益者数・直接裨益人口(就学年齢以上の子どもたち) 約3,650人(小学校28校)
・間接裨益人口(保護者、教師、その他関係者) 約7,778人
パートナー団体(1)GBK(ジー・ビー・ケイ)>団体紹介
(2)PAPRI(パプリ)>団体紹介

私たちが活動で目指すこと

社会から取り残されやすい条件下の子どもたちが、
安心して小学校に通い続けられること


問題と背景

バングラデシュでは、1990年に初等教育(1~5年生)が義務化され、2017年時点で初等教育純就学率は97%に達しています(外務省H29年更新情報)。一方、地理的に人が往来しづらい地域や先住民に対象を絞ると就学率は80%程度で、ドロップアウト(中退)や落第が大きな課題となっています。

このような状況に対して、シャプラニールは、とりわけ行政やNGOの支援が行き届いていない子どもたちを対象に、教育支援事業(終了事業:先住民の子どもたちの文化教育支援中洲(チョール)における児童教育支援)を実施してきました。

その結果、子どもの就学率の向上、保護者が子どもを小学校に送り出すといった成果が得られました。しかしながら、両地域で共通の課題がいくつか残されており、また全体として初等教育から取り残されている子どもたちの現状を、行政や地域社会が十分に認知していません。

目標を達成するために取り組んでいること

学校に対する取り組み

学校運営委員会(日本でいう教育委員会とPTAの機能を兼ねる)、教員などのステークホルダー(利害関係者)が、それぞれ学校の学習環境の改善に積極的に取り組むようになることを目指します。
例えば、学校運営委員会が定期的に会議を開催するための支援を行い、2事業地の間での経験交流を通じた能力強化を図ります。また、子どもたちが「学校が楽しい」と感じられるよう、運動会等のイベントを開催し、各対象校の生徒会を中心とした活動(壁新聞や植栽など)を行います。さらに、各学校で年間活動計画が策定、実践されるための支援を行い、課題を抱えた子どもたちへの対応を図るために補助教員を配置します。

 

地域住民に対する取り組み

domestic_servant_04コミュニティレベルで子ども達が安心して勉強できる場所を確保するため、コミュニティ・ラーニング・センター(CLC: Community Learning Centre)をディナジプール県に6か所設置します。CLCは保護者や地域住民が集まることができる場所でもあり、ディナジプール県の既存CLCも合わせ、CLCを通じて保護者、地域住民に働きかけ、対象児童の課題を地域で考えていけるよう働きかけます。ノルシンディ県ではCLCは建設せず、集落ごとに学校や住居の軒先など既存の建物を利用し、補習授業の提供や地域住民への啓発活動を行います。

地方行政・ボランティア・メディアに対する取り組み

domestic_servant_05本来教育の機会から取り残された児童のケアに当たるべき地方行政が、その責任を果たせるようになるよう、アドボカシー活動を行います。各地方行政レベルの担当者・部局との連携を強め、それぞれの立場・役割でできることを考えてもらうような話し合いの場を設けます。また、事業に関心のある人がボランティアとして関われるような機会を作り出し、メディアを巻き込んで広く情報発信を行います。

 

グッドプラクティスの共有と持続性の担保へ向けた取り組み

異なる地域、背景で実施している各事業地の取り組みから相互に学び合うための経験交流を実施します。また、事業終了後もその地域で成果が定着するだけではなく、事業地以外でも活用されるよう、県および中央レベルでのアドボカシー活動を行い、モニタリングやグッドプラクティスの共有など事業の継続性を高めるための活動を実施します。

 

現地活動ルポ


パートナー団体紹介

団体名 Gram Bikash Kendro(略称:GBK、略称読み:ジー・ビー・ケー)
団体概要1993 年、ディナジプールにおいて社会的な問題に強い関心をもつ若者たちによって始められた。先住民、女性、子ども、障害者など社会的、経済的に不利な立場におかれている人々が、エンパワメントされて本人や周辺が変化を促すための活動を行っている。農村開発、マイクロクレジット、生計向上支援などに広く取り組んでいる。先住民支援では基礎教育に力を入れており、同時に先住民としてのアイデンティティを守るための文化活動も盛んである。

年間の予算規模は4 億5,400万円(2019年度)、スタッフ数は680人。

団体名 Poverty Alleviation through Participatory Rural Initiatives(略称:PAPRI、略称読み:パプリ)
団体概要1999 年、シャプラニールから独立してできた現地NGO。首都ダッカの北東に位置するノルシンディ県(人口約190 万人)内に活動拠点をもつ中規模NGO として、マイクロクレジット、保健衛生など、広く農村開発に取り組む。教育分野では、ノルシンディ県の人が往来しづらい中洲地帯において、対象とする子どもたちの就学率向上を目指し活動を実施してきた。独立した当初はシャプラニールのみをパートナーとしていたが、徐々に組織としての評価を高め、バングラデシュ国内の他のNGOとも連携している。

年間の予算規模は約6,900万円(2019年度)、スタッフ数129人

ご支援のお願い

シャプラニールは、皆さまからのご寄付やボランティアに支えられ、1972年より独立間もないバングラデシュの農村での活動から始まり、そして現在はネパールへも活動を広げ、現地の声を聞き対話を重ねながら、支援から「誰も取り残さない」活動を続けることができています。
これからもこの活動を続けるには、皆さまの継続的なご支援が不可欠です。子どもたちが適切な教育を受け、社会の一員となり生活することを支援するこの活動を、ぜひ一緒に支えてください。
ご支援の方法はいくつかあります。ご寄付(今回のみ、月々)、物品のご寄付など、ご都合のよい方法で、ご支援をお願いいたします。

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