エリア担当を任された長瀬職員。

エリア担当を任された長瀬職員。エリア担当(各エリアで活動するボランティアを統括するリーダー)は広範囲で地域を巡回するため、シャプラニールが7月15日に自転車を調達した。(2018年7月16日撮影)

シャプラニールは西日本の記録的豪雨に伴う被害状況を受け、2018年7月12日から職員2名(小松事務局長、長瀬職員)を被害の大きい岡山県に派遣しています。7月16日、17日時点の被災地の現状と現地での活動について報告します。

これまでの動き
ネパール現地パートナー・RRNからの応援メッセージ(2018年7月17日)
2018年7月14日・15日最新情報(2018年7月16日)
2018年7月13日最新情報(2018年7月14日)
2018年7月12日最新情報(2018年7月13日)
7/21(土)「西日本豪雨 緊急救援活動」報告会開催決定(2018年7月11日)
小松事務局長、長瀬職員が現地に向け出発へ(2018年7月11日)
大雨による被害に遭われたみなさまへお見舞い申し上げます(2018年7月7日)


<7月16日(月)スケジュール>
06:00 倉敷災害ボランティアセンター集合
07:00 箭田サテライト集合
07:30 ボランティア受け入れ等、活動開始
16:00 片付け~倉敷災害ボランティアセンターへ移動
17:30 倉敷災害ボランティアセンターにて反省会
18:30 箭田サテライトにて明日のためのミーティング実施
21:00 解散

■活動の中で聞いた被災者のお話
以下、被災状況や現状について伺ったお話の一部をご紹介します。
・この地区は地元の人は少なく、新築の家(2階建て以上)が多かった。そのため2、3階に逃げればギリギリ水から逃れることができた人もいる。
・地元の人が少ないこともあり、作業も個々のお宅で行っている印象。ボランティアが手伝ってくれたことにとても感謝している。(70代、男性)
・夜に小田川が決壊してから30分程で水没した。2階に逃げたが水が来た。死に物狂いで窓から抜け出し泳いで高い屋根にしがみついて流されずにすんだ。(60~70代、男性)
・50年前の床下浸水を経験した方は、火災保険に加え水害保険にも入っていたよう。自分は引っ越してきたので火災保険にしかはいっていなかった。高齢・心臓に持病があるため娘夫婦に保険手続きをしてくれている。過去の洪水を聞いていたので、とりあえず貴重品や布団などを2階へ上げたのでほとんど水に浸らなかった。住居はとりあえず倉敷市に旧職場でのつてを使ってアパートに住むことになっているので、家具など生活用品の用意を行っている。(70代、男性)
・高齢者ばかりで作業が全く進まない。ボランティア要請に箭田サテライトで直接受付もできず、電話をかけているけどつながらなかった。しかし今日ようやくボランティアが来てくれて、全く進まなかった作業がどんどん進み本当に助かった。(80代、男性)
・市からのごみの処理や泥撤去などの手順を知りたくても知ることができないため、次の作業がわかないので困っていた。土農袋や石灰も物資支援所にないため困っている。とりあえず家の中から泥を出し家財道具を出した。家の周りの泥も匂っているため取り出したい。ボランティアの手が欲しい。(70代、女性)

道路脇には家庭から出たゴミが積み上げられている。(2018年7月16日撮影)

道路脇には家庭から出たゴミが積み上げられている。(2018年7月16日撮影)

■箭田サテライトでの振り返り
箭田サテライトだけでも7月16日(月)のボランティア受け入れ合計は約660名、本部は813名に達しました。周辺のサテライトの人数も含めると、本当に多くのボランティア参加がありました。一方、日中のごみ撤去等作業の中で、引き続き熱中症や作業中の怪我がとても多い状況です。

■倉敷災害ボランティアセンターでの反省会
ボランティア受け入れに際し、以下のような報告や大小様々な問題が共有され、それに対する改善策が検討されました。
・家財道具が公道に出されているため車が通れない。家財道具をまず処理しないといけなったため、ボランティアと移動の対応を行った。
・ボランティアセンターにクレームが集中してしまっている。対応できない内容り災/被災証明書の発行、家屋の清掃について(例えば泥の撤去や消毒、ごみ処理撤去方法など)、資材配布先などなど、行政が担う内容とボランティアセンターが行っていることが住民を混乱させている。連携方法については要検討。
・物資が不足しているため住民がサテライトにもらいにきている。住民が来た場合はお渡ししているが、その地域で活動している他団体ももらいに来るためこれを自粛してほしい。
・住民への支援を中心にしているが、今後の活動はどうなるのか。障害者支援や子ども支援などが必要ではないのか。
・重機を出して、車がひっくり返っていたのをもとの体制に戻す。ごみの搬出をNGOと協力して20トン程の土砂を処理した。

■翌日の動きについて
各サテライトは、ボランティア約400名を受け入れる体制を整える必要があります。地域での廃棄物撤去などの作業、兵庫社会福祉協議会の現地入り調査など多忙かつ業務が多岐に渡りますが、各所との情報共有、組織的な連携で、引き続き安全かつ効率的に進めていきます。


被害の大きかった倉敷市真備町には多くの報道陣もかけつけ、連休のボランティア活動を報じた。(2018年7月16日撮影)

被害の大きかった倉敷市真備町には多くの報道陣もかけつけ、連休のボランティア活動を報じた。(2018年7月16日撮影)

<7月17日(火)スケジュール>
08:00 箭田サテライト集合
09:30 ボランティア受け入れ等、活動開始
16:00 片付け~倉敷災害ボランティアセンターへ移動
16:30 箭田サテライトに戻りニーズ調査カードの整理
18:00 全体で振り返りと明日の確認
19:30 ニーズ調査カードの整理続き
22:00 解散

■箭田サテライトでの振り返り
7月17日(火)のボランティア受け入れ合計は、箭田サテライトだけで前日の予想を上回る約470名となりました。倉敷市企業、岡山の学生、奈良社協などの団体での受け入れも多くありました。今後の大きな課題のひとつは、「ニーズマッチング」の仕組みの強化です。今以上に、ボランティアを必要とする被災地の多くの声に効率的に応えていく必要があります。

■倉敷災害ボランティアセンターにて反省会
ボランティア受け入れに際し、以下のような報告や大小さまざまな問題が共有されました。
・熱中症19人、怪我人が10人出ている。引き続きボランティアへの怪我・熱中症対策の注意喚起を促す。
・連日の受け入れで現地の調査(避難所の様子や川の決壊現場などなど)が思うようにできていない。
・3連休を連続対応したスタッフが帰ってしまい、運営が厳しくなっている。今後の受け入れ対応をどのようにするのかが課題。

参加ボランティアへ熱中症への注意喚起を促すチラシが各所に張り出されている。(2018年7月16日撮影)

参加ボランティアへ熱中症への注意喚起を促すチラシが各所に張り出されている。(2018年7月16日撮影)

■翌日の動きについて
前述の振り返りでの「ニーズマッチング」の仕組み作りについては、地域ごと、番地ごと、需要ごと(緊急、未対応、日にち指定、特殊ニーズ)に仕分けをして優先順位をつけてボランティア派遣を行う方針となりました。そのため、7月17日(火)は時間の許す限りニーズ整理の作業を行いました。
電源車が箭田サテライトに支給されたので、扇風機や冷風機などの電気製品の使用が可能となりました。文書による情報共有等で、今後より動きやすくなると思われます。


★派遣チーム帰任後、7月21日(土)に報告会を実施いたします。詳細は以下のページをご覧ください。
7/21(土)「西日本豪雨 緊急救援活動報告会」詳細・申込はこちら

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