シャプラニールはバングラデシュにて、パートナー団体PhulkiとともにCOVID-19の流動的な状況に対応しながら家事使用人として働く少女たちへの支援を継続しています。 

雇用主、保護者などへの働きかけでポジティブな変化が

2022年に入ってから新しく開設されたジョノタハウジングの支援センターにて、少女たちの雇用主とのミーティングを初めて開催することができました。スタッフがセンターの活動について詳しく説明した後、雇用主たちからは積極的に質問があり、「センターの様子を見ることができて、安心して少女を通わせることができる」といった活動に対する前向きなコメントもありました。

また、学校に通わせることの重要性を理解してもらうために少女たちの保護者への働きかけを行い、保護者と学校の関係者をつなぐ連携ミーティングを実施。これにより学校側が、入学金が高すぎるなどの問題でこれまで子どもを学校へ通わせることを躊躇していた保護者の話を聞き入れ、入学金を下げるなどの対応を取り、その結果、合計14名もの少女たちが学校に編入することができました!少女たちを取り巻く環境の改善に向けた取り組みはこのように着実に進んでいます。 

COVID-19の感染拡大の影響は支援センターにも

一方で、2022年1月19日~1月31日の期間中は感染拡大により少女たちの支援センターを3つとも閉鎖せざるを得ない状況となってしまいました。この期間中、スタッフは毎日センターに通い、少女たちが家で勉強を続けられるよう、宿題の準備を行っていました。 

2月1日からは14歳以上の少女たちを対象とした技術研修の実施を再開していますが、基礎教育の支援については、バングラデシュ政府より教育機関の閉鎖指示が出ているため、停止せざるを得ない状況が続いており、代替策として、スタッフが保護者や雇用主宅を訪問し、少女たちに宿題を届けて勉強を継続できる環境を整えています。

COVID-19禍で家事使用人の少女たちが孤立してしまわないよう、シャプラニールでは引き続きフォローアップを行っていく予定です。 

染め物の技術研修を受ける少女たちの様子(ジョノタハウジングセンター)
基礎教育の授業の様子(ジョノタハウジングセンター)

バングラデシュのCOVID-19感染状況(2月24日時点)

バングラデシュのCOVID-19感染状況は、2月24日時点で累計感染者数約194万人となり、累計死者数は2万9千人以上となりました。1月からはオミクロン株の流行により感染者が急激に増え、1月13日に行動規制、1月20日に教育機関の閉鎖指示がバングラデシュ政府より発令されました。1月末時点では一日の感染者数が1.5万人を超えることもありましたが、その後感染状況は徐々に落ち着きを見せました。2月22日には行動規制が解除され、教育機関も再開しました(ただし小学校は3月1日より再開予定)。集会・会議でのマスクの着用義務は継続しています。  

シャプラニールバングラデシュ事務所は日々変化する状況に対応し、時には在宅勤務も併用しながら、感染予防対策を取りながら現地での活動を粘り強く継続しています。 

海外活動グループ/バングラデシュ事業担当 峯