2020年にサイクロン・アンファンによる多大な被害を受けたクルナ県コイラ郡で、ニーズ調査に基づいて始まった復旧・復興事業。順調に進む事業の様子をお伝えします。

避難シェルターまでの道路整備

2022年5月末に訪問した際は、稲の収穫も忙しい時期。非常に高い湿度のなかでも「雨期に入る前に作業を完了しないと・・・」と急ピッチで作業が進められていました。この道路が完成するれば、避難シェルターまで安全な避難経路を確保できます。修繕には約900名の地域住民が参加し、平均15日~20日働き収入を得ています。

作業は道路脇の土(粘土質でとても重い)を用いてかさ上げを行います。住民は「掘り返した箇所を魚の養殖に利用できるようになって、収入手段が増えた」と本来予定していなかったことがよい結果につながったと嬉しそうに話してくれました。

道路のかさ上げ作業の様子。手前の堀を後日ため池として活用

2022年10月までに約425人の子どもが安全に学校に通えるようになり(※)、約1,600世帯が安全に避難シェルターに移動できる環境が整備されています。道路の補強を目的に道路脇に植林もしています。※多くの避難シェルターの建物は、平常時は学校として使用されています。

補修中の道路(2022年5月)
道路のかさ上げ工事が完了(2023年1月)

そのほかに、井戸の修繕、トイレ建設、貯水タンク設置の作業も行っています。同時にこれからも長く使用できるよう、それぞれの使用・管理方法について地域住民へオリエンテーションを実施しています。

公共トイレ(設置前)
公共トイレ(設置後)

これからの展望

2022年12月時点で、道路の修繕作業は7割が完了しており、また井戸の修繕、トイレ建設、貯水タンク設置の作業も順調に進んでいます。2023年2月中にすべての作業が完了する見込みです。これにより、サイクロン・アンファン被災地の住民が災害時に安心して避難し、トイレや井戸の設備を利用できるようになることが期待されます。

一方で、この地域では行政レベルの災害管理委員会が機能していないといった本質的な課題が残されています。今後気候変動の影響でさらに深刻化していくことが予想される災害に適応し続けるためにも、地域全体の防災能力を高めていくことが求められています。

シャプラニールはパートナー団体JJSとともに、災害時に取り残されがちな脆弱層(特に女性や子どもなど)に重点を置き、行政や地域の防災アクターが主体となって災害に強靭な地域づくりを行う防災事業の立案を進めていく予定です。これからも災害時に誰も取り残されないことを目指し、人々に寄り添った支援を継続していきます。

(本事業は2021年度外務省NGO連携無償資金協力の支援を受けて実施しています)


コイラ郡はこんなことろ

岸に寄せる水音が心地よい夕刻のひととき。河では漁をする人々や、時より船着き場から船に乗り込んでいく人々がみられました。
広大なエビ養殖場が広がっている