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東南アジアの島国インドネシアには、地域の多様な植物を利用した伝統医療があります。その名「ジャムウ」。私がシャプラニールと関わることになったきっかけは、5年ほど前に旅行で訪れたインドネシアでのジャムウとの出会いでした。  

インドネシアで出会ったジャムウ売り。大きな籠を背負い、ジャムウを売り歩く。もともとハーブや漢方に少し興味があった私は、たまたま旅行先として選んだインドネシアで、ジャムウづくりのワークショップに参加しました。地元の畑で採れたてのショウガやパンダンの葉などが原料のジャムウはとてもカラフルでフレッシュ。出来上がったコップ一杯のジャムウを飲んだ時、熱帯の生命力あふれる茂みをそのまま濃縮したような味に、私はあっという間に虜になりました。 

帰国後、ジャムウの事をもっと知りたい!と情報を集め始めました。どの地方でどんな原料が作られ、どんな人がどのように作って、誰が何のために消費するのか。調べていく中で私が気になったのは、ジャムウ自体の情報よりも、ジャムウを取り巻く社会状況、つまり、インドネシア国内には大きな格差があることや、ジャムウ産業の担い手の多くは農村部に住む人や女性といった、貧しい人々であることでした。 

伝統と自然を守りながら働く人が暮らしに困らないでいられるようにはならないのかな。もやもやとした疑問を抱いていた時にたまたま参加したのが、シャプラニールが開催していたフェアトレードの生産者団体の代表を招いての講演会でた。 

クラフトリンク商品の販売ボランティアをした時の様子

クラフトリンクの販売ボランティアの様子

その後、声をかけられるがままに事務所でボランティアをし、イベント等でクラフトリンク販売の経験をさせてもらい、実際に途上国の村の人との地域産品づくりをしてみたいと青年海外協力隊に参加し…

今は、ネパール・バングラデシュのことを気にかけてやまないシャプラニールのスタッフ、いつも優しく活動を支えてくださるボランティアの皆さんに囲まれながら、アルバイトとしてシャプラニールの海外活動のお手伝いをさせてもらっています。 


もちろん、
インドネシアのことは忘れたわけではありません。将来は、憧れのジャムウの作り手さんたちの活躍を後押しするような取り組みをしたいな、と思っています。次の一歩を探りながら、いましばらくは、国際協力について、私達の消費生活のあり方について、考える日々です。 

staff_msokada岡田香織(おかだ・かおり)
海外活動グループ・アルバイト
JICA海外協力隊の隊員として、マレーシアで活動。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて一時帰国し、現在は再派遣に向けて待機中。
クシクシ倶楽部などでボランティア活動を経て、2020年に入職。

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<この記事はマンスリーサポーターキャンペーン2020に際して執筆したものです。>