2020年11月に青少年グループをチェンジメーカーとした気候変動対応事業がスタートしてから2年以上が経ち、現在3年次事業を実施しています。この事業では、バングラデシュで3番目に大きい都市であり、自然災害に対し脆弱で、気候変動の影響を受けやすいクルナ市で、青少年とその家族を対象に、気候変動と持続可能な消費について学ぶ機会を提供しています。また、青少年が主体となって行う気候変動に対するアクションを呼びかけるキャンペーン実施のための支援や、地域関係者を巻き込んだアドボカシー活動を行っています。
3年次事業ではこれまで実施してきた活動を、クルナ市の新たな地区で展開しています。

気候変動と持続可能な消費について学ぶ青少年たち

青少年とその家族が新しい生活スタイルを実践

3年次事業を開始する際に、2年次事業の振り返りを行いました。事業開始時のデータと比較するためのデータ収集を行い、事業に参加した45名の青少年と その保護者へ個別の聞き取りを実施。

青少年への聞き取り結果からは、以下のような成果が確認できました。

 事業開始前事業終了後
気候変動と持続可能な消費、責任ある消費の重要性について説明できる2%98%
節水に取り組んでいる
例:歯磨き、シャワー、飲み水、調理、洗濯、などの際に、水の無駄使いをしないように注意する
0%88%
節電に取り組んでいる
例:部屋を出るときや必要がないときは、ファン、ライト、テレビを消す
4%85%
食料の無駄な消費をしない
例:料理する際には必要な分だけ作る、余った食料は捨てない
6%82%
気候変動と持続可能な消費に関するセッションで得た知識を、他の家族、友人、隣人と共有し、持続可能な消費ライフスタイルを勧めている4%90%

保護者への聞き取り調査の結果からも同様にポジティブな成果が表れ、気候変動と持続可能な消費について学んだ青少年とその保護者の行動が大きく変わったことがわかります。事業に参加した青少年と保護者の多くが自らの行動を見直し、新しい生活スタイルを実践するようになったのです。

未来の地球を守るために行動する、青少年の声

実際に事業を通して気候変動と持続可能な消費について学んだ青少年の一人、バイサキさん(16歳)からのメッセージをお届けします。

「この事業に参加するようになってから、自然や環境に対する責任感が強まり、私たちが住む地球を守るべきだと感じるようになりました。私たちが今できる、身近なことは、まずは資源を大切に使うことです。私は日々資源の無駄遣いをしないように注意し、水、電気、食料などの持続可能な消費に努めています。家族や友人にも学んだことを伝え、協力してもらえるようになりました。
この事業では、同年代の青少年と話し合い、植林、世帯訪問を通した啓発キャンペーン、布バッグや気候変動についての資料の配布など、地域を変えていくための活動を行いました。しかし、こうした活動は一回限りで終わってしまうと、すぐに忘れられてしまいます。人々の意識を変えていくためには、継続した働きかけが必要です。そのため、これからも同年代の青少年たちと、地域全体で変化を起こすための活動を続けていきたいです。」

地域住民にポスターを渡す青少年
気候変動に対するアクションを呼びかけている青少年たち

海外活動グループ/バングラデシュ事業担当 峯