ネパールで甚大な被害をもたらした大地震が発生してから、早くも3年が経過しました。
シャプラニールでは、カトマンズ盆地内住宅密集地の復旧と復興支援事業を実施し、カトマンズ地域の防災力強化に取り組んでいます。

先日カトマンズの各地区で、大地震の記憶を風化させないため、そして次の地震に備えるための「被災体験共有会」を実施しました。住民が共有したそれぞれの被災体験の一部をご紹介いたします。


先日開催された被災体験共有ワークショップの様子

先日開催された被災体験共有ワークショップの様子


アースタさん

アースタさん

2015年4月25日、アースタ・マヤ・ダクワさん(68歳)は自宅で昼食をとっていました。来客があり自宅の外に出たところで地震に急に襲われ、危うく道路に倒れそうになりました。最初は何が起こったかわかりませんでしたが、自宅が揺れ動いているのを見て初めて地震が起きていることに気づいたそうです。

命の危険を感じ、彼女は慌てて家の中にいる家族の名前を何度も叫びましたが、返事はなかったそうです。アースタさんは全員の無事を神に祈るしか為す術ががありませんでした。揺れが収まり、無事に外に出てきた家族を見た時には本当に嬉しく思ったそうです。

自宅は安全ではなかったため、アースタさんと家族は、1カ月間近所の学校施設で避難生活を送りました。自身が避難生活を続けながらも、アースタさんはネパール外から援助に来ているNGOなどと協力しながら、さらに支援を必要としている人々への物資の配布などを手伝ったそうです。

災害はカーストの上位層と下位層、裕福な人と貧しい人、そして宗教の違いに関係なく訪れるとアースタさんは考えています。
アースタさんは今回の地震をきっかけに、災害に備えて安全な場所を事前に確認しておくことが大切だと思うようになりました。また、大きな家ではなく、小さくて開けたスペースがある、災害に強い家を建てるべきだと学んだそうです。


復興作業が続くネパールですが、このような防災・減災への取り組みは、次なる地震に備えるためにも地域住民をつなぐ架け橋としても重要です。

引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。

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