3月14日に、いわきで「感謝を伝える会」を開きました。

私たちがいわき市で活動してきた中で、交流スペース「ぶらっと」を中心に被災された皆さんとのつながりはもちろん、いわき市内のNPO、社会福祉協議会、いわき市、福島県、企業など、たくさんの方の応援、特に発災直後の緊急救援期では、地元で動き出されていたNPOのみなさんとの連携なしには活動を継続することはできませんでした。
そうした思いから、これまで5年間の活動の中でお世話になった皆さまへ、”外から入ったNGO”としてきちんと感謝の気持ちを伝えなければと、「感謝を伝える会」を企画するに至りました。

「震災から5年」、「心の復興」などが盛んに言われる中で、個人的な思いを正直に言えば「いわきの復興はまだまだこれから…」、「精神的に苦しい中にある人が多いのを分かっているのに…」という思いもありました。また、いわきで共に活動してきたNPO、社会福祉協議会、行政のみなさんにっとて、5年というのは特別な区切りでもなんでもない、ということも理解していました。被災者の皆さんも含め、これからもこの地で生きてい行く…復興支援に関わる団体や担当の皆さんは、今後も第一線で復興支援に当たり続けなければならない…。
シャプラニールとしては5年という区切りだから、ということではなく、2つの活動目標に照らしてこの3月で活動を終了することを決めました。一つは「被災者の生活再建のめどがつく」こと、もう一つは「地元の力で被災者の細かなニーズに対応できる体制ができている」ことです。この二つ目の「地元の力で」という部分については、今回集まっていただいた皆さんの力によるところが大きいことは間違いのない事実です。

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今回感謝状をお渡ししたのは、2011年3月にシャプラニールがいわきに入って活動を開始した当初から今日に至るまでさまざまな形でお世話になってきた6名の方々です。

社会福祉法人いわき市社会福祉協議会 強口暢子会長
NPO法人 ザ・ピープル 吉田恵美子理事長
NPO法人 勿来まちづくりサポートセンター 舘敬代表
生活協同組合パルシステム福島 安齋雄司専務
シャプラニールいわき連絡会 吉田まさ子代表
いわき地域学會 吉田隆治代表幹事

会の中で小松事務局長の挨拶にもありましたが、もちろん会場にお越しいただいたすべての皆さんにお世話になったことは間違いないのですが、その中でも特にという6名の方へ感謝状と記念品(ノクシカタ)をお渡ししました。

感謝状をお渡しした6名の方々から、また会場にお越しいただいたみなさんから、「感謝を伝えなければならないのはこちらの方」とのお言葉をいただきました。

歓談の時間にある団体の女性から、「5年間、よくがんばったよね」と声をかけられました。お互いに、また復興支援の活動に関わる全ての人が、「これまでなんとかやってきた」、という思いがあったように思います。支援する側としての苦しさや悩みを共有しながら、それぞれの団体の方針や活動の中で形にすべくもがいてきた5年、いわきには自らも被災しながら、被災者、避難者のために力を尽くしてきた方がたくさんいます。そうしたみなさんと、この日を共に過ごしているのだと思うと、胸にこみ上げるものがありました。

いわき市の津波・地震被災者のための災害公営住宅への入居はある程度落ち着いて来たものの、いわき市における復興公営住宅(福島県営の原発避難住民のためのの集合住宅)の建設はまだまだこれからです。5年という年数では決して区切ることのできない復興への道の中で、行政、NPOなど各団体の力を結集して、いわき市での生活が被災者それぞれにとって暮らしやすいものになっていくことを心から望んでいます。

また発災以降、さまざまな形でシャプラニールのいわき市での活動にご支援いただきました全国のみなさま、これまで本当にありがとうございました。みなさまからのご寄付や被災された皆さんへの励ましのお言葉のおかげで、これまでの活動を継続することができました。この場を借りてお礼を申し上げます。
(5年間の活動は報告書の形でまとめ、6月完成の予定で現在動いています。完成次第ぜひみなさまにも見ていただけたらと思っています。)

(震災対応タスクフォース 佐藤緑)