8月1日、NEPALNOW第1弾イベント「ネパールからの挑戦」を開催しました。

日本とネパールの国交樹立70周年、そしてシャプラニールのネパール事業30周年の節目に、“今のネパール”を知り、考え、つながるイベントとして企画されたNEPALNOW。

第1弾では、株式会社SANCHAI代表・仲さん、株式会社NANKAI Japal事業担当の林さん・柳瀬さんをゲストに迎え、それぞれがネパールを舞台に取り組んできた新たな挑戦についてお話をうかがいました。また、シャプラニールの横田ネパール駐在員からも、現地で取り組んでいる活動について紹介しました。

それぞれの「ネパールからの挑戦」

まず、シャプラニールの横田ネパール駐在員から、これまでネパールで30年間続けてきた活動と、その積み重ねが現在の取り組みにどのようにつながっているのかを紹介しました。長年の活動を通じて変化するネパール社会と向き合いながら、「すべての人が持つ可能性を開花させる」という思いは、今も変わらず受け継がれ活動しています。

株式会社NANKAI ― ネパール人材と日本企業をつなぐ
株式会社NANKAIは、南海電鉄沿線で外国人が安心して暮らし、地域とつながるための環境づくりに取り組んでいます。その一環として Japal 事業では、ネパールのIT人材と日本企業をつなぐ海外人材紹介・定着支援サービスを展開しています。外国人材の受け入れに不安を感じる企業も多い中、実際に採用した企業からは「採用してよかった」という声も多く寄せられているそうです。若いネパール人材が加わることで、職場に新しい視点やコミュニケーションが生まれるなど、企業側にも変化が生まれています。「様々な人材会社がある中で、企業にとっても、ネパールから来る方にとっても、安全・安心な架け橋になりたい」という林さんの言葉からは、人を単なる労働力としてではなく、地域や社会をともにつくる存在として迎える姿勢が伝わりました

Japal事業について紹介する株式会社NANKAIの林さんと柳瀬さん

■株式会社SANCHAI ― 地域の豊かさを未来へ
株式会社SANCHAIは、ネパール・コタン村で生産される在来種のピーナッツを活かしたピーナッツバターづくりに取り組んでいます。「この地で家族と暮らしたいのに、働く場所がなく、村の外へ出稼ぎに出なければならない」。そんな村の人々の声が事業のきっかけとなったそうです。そのため、SANCHAIでは、その土地で暮らす人々が感じている幸せや、地域にある豊かさを大切にしながら、現地の人々が誇りを持って働き続けられる場づくりを行っています。「Legacy in Motion(過去から受け継ぎながら進化する)」という考え方のもと、ピーナッツを通じて、地域の価値を未来へつないでいく挑戦についてお話しいただきました。

クロストーク「変わりゆくネパール」

続くクロストークでは、シャプラニールの勝井職員がモデレーターとなり、ネパール社会の変化や、事業の中で感じる難しさ、これからの可能性について3者で意見を交わしました。

仲さんからは、コタン村で10年間活動する中で感じた変化についてお話しいただきました。道路や電気、水道など生活環境が大きく改善される一方で、変わらない文化や人々の価値観もあります。例えば、若い世代でも道に寺院があれば自然と手を合わせるなど、昔から続く習慣が今も大切にされているそうです。一方で、海外への出稼ぎによる人口流出など、地域が抱える変化もあるそうです。

横田ネパール駐在員からは、海外への出稼ぎの増加に伴って生まれている児童労働の新たな課題について紹介されました。最近では、家族のスマートフォンを使って子ども自身がインターネットで仕事を探し、働くケースもあるそうです。その背景には、「お金を稼いで自分のスマートフォンが欲しい」「SNSで見た海外の暮らしに憧れ、自分も行ってみたい」といった思いもあります。親が海外へ出稼ぎに出ていることで、子どもの行動を十分に見守ることが難しくなり、こうしたケースにつながっている面もあるといいます。出稼ぎによって家族がバラバラになって起こる課題が複雑で深刻になっているとのことでした。

林さんからは、日本企業が外国人材を受け入れる際の難しさについてもお話しいただきました。まだまだ「まずは日本人材を採用したい」という企業が多い中、外国人材と働く最初の一歩を後押しすることがJapal事業の役割の一つだそうです。一方で、実際にネパール人材を採用した企業の9割が「採用してよかった」と感じているとのこと。「最初の不安をどう払拭するかが難しい」という言葉から、受け入れ前の不安と、実際に働くことで生まれる変化の大きさが伝わりました。

クロストークでは、勝井職員の進行のもと、会場の株式会社NANKAI・林さん、柳瀬さん、ネパールからオンラインで参加した
株式会社SANCHAI・仲さん、シャプラニールの横田駐在員が、それぞれの経験や視点を交えながら意見を交わしました。

それぞれが描く、これからの挑戦

最後には、それぞれが今後取り組んでいきたいことについて語りました。

仲さんは、今年アメリカに拠点をつくったことを紹介し、ピーナッツバターの大きな市場であるアメリカを足がかりに、コタンのピーナッツを世界へ届ける挑戦をさらに広げていきたいと話しました。

林さんは、ネパール人材を雇って「よかった」という企業の声をさらに広げ、企業にとってもネパールの人々にとってもWin-Winとなる関係をつくっていきたいと語りました。

横田ネパール駐在員からは、ネパールで30年間活動してきた経験を生かし、ネパール側から日本でもできることを増やしていきたいという思いが語られました。

取り組みやアプローチはそれぞれ異なりますが、人が持つ可能性を信じ、その可能性が広がる環境をつくっていくという目指す方向には、共通するものがあります。

会場からもたくさんの質問が寄せられました

質疑応答では、山岳地域の教育やネパール人材の日本語学習、海外への出稼ぎ、AIを活用した新しいビジネスの可能性など、さまざまな質問が寄せられました。登壇者とのやりとりを通じて参加者の皆さんも「変わりゆくネパール」について、それぞれの視点から考える時間となったと思います。

イベント終了後には交流会も開催。ネパール料理を囲みながら、登壇者や参加者同士の交流が続き、最後まで和やかな雰囲気に包まれました。

参加者のアンケートでは
「SANCHAIさんのそこに住む人が考える幸せを大切に考えて事業をされている点が印象に残りました。」
「NANKAIさんのJapal事業は最初何故鉄道会社が?と思いましたが、お話を聞いてなるほど思いました。 」
「日本とネパールそれぞれでの関わり方があるのだと、興味深かったです。」
というような声が寄せられました。

交流会の様子。ネパール料理を食べながらそれぞれ話が盛り上がりました。

次回のNEPALNOWは9月12日!

NEPALNOW第2弾は、9月12日(土)に開催します。

第2弾では、カレーとスパイスを探究する「カレー三兄弟」をゲストに迎え、知られざるネパール料理の奥深さを探ります。さらに、多国籍タウン・新大久保を拠点に活動するジャーナリストの室橋裕和さんを聞き手に、世界各地で暮らすネパール出身の方々とオンラインでつなぎ、それぞれの国での暮らしや仕事について伺います。第1弾とはまた違った角度から、“今のネパール”に出会えるイベントです。ネパールをよく知る方も、これまであまり知らなかった方も、ぜひご参加ください!

▼お申し込みはこちら▼
https://shaplaneer-nepalnow0912.peatix.com/

《NEPAL NOW 第2弾概要》
【日 時】2026年9月12日(土) 13:00~17:00(12:45開場)  
【会 場】早稲田奉仕園内(東京都新宿区西早稲田2-3-1) 
     受付・メイン会場:早稲田奉仕園内リバティホール 
     サブ会場: 早稲田奉仕園内スコットホールB1シャプラニール事務所内 
【参加費】(一般)2,500円(シャプラニール正会員)2,000円 (学生:大学生以下)1000円
※その他寄付つきチケットあり   
※参加費・ご寄付は、シャプラニールの活動全般に活用させていただきます。
【定 員】 80名(先着)

ゲストの活動をもっと知りたい方へ

今回ご登壇いただいた株式会社NANKAI Japal事業と株式会社SANCHAIの取り組みについて、詳しくはそれぞれのウェブサイトをご覧ください。

株式会社NANKAI Japal事業
https://japal-nankai.com/

株式会社SANCHAI
https://www.sanchai-inc.com/jp

支援者コミュニケーション部
菅野冴花