こんにちは、広報インターンの下鳥です。
今回は海外活動グループ ネパール事業担当の鈴木さんに話を伺いました。

学生時代から一歩一歩目指してきた国際協力への道

下鳥:シャプラニールで働くまでの経歴を教えてください。

鈴木:大学時代は異文化コミュニケーション学部で、色々な国の異なる文化、バックグラウンドを持つ人とのコミュニケーション方法について学んでいました。学部生全員が短期留学をするのが必須で、私はニュージーランドに4ヵ月短期留学しました。そこで東南アジアや南米、中東などいろいろな国の人々と出逢い、大切な友人ができて…いい意味で影響をたくさん受け、もっと世界について知りたいと思うようになりました。留学後は、バングラデシュとアフリカ3ヶ国で栄養改善の活動をしている団体、ソマリアの紛争問題に取り組む団体などで活動していました。

下鳥:留学をきっかけに国際協力への興味が強くなったんですね。卒業後も、NGOへの就職を考えられたんですか?

鈴木:卒業してからは国際協力の仕事ではなく某通信会社の法人営業として約3年働きました。通信インフラという人々の生活になくてはならないものを支える会社で、基本的なビジネススキルから営業の仕事の進め方まで、多くを学んだ3年間でした。ただ、国際協力の現場で働きたいとという思いは常にありました。

下鳥:その仕事をやめられてからは、どんなことをしていたんですか?

鈴木:退職後は政策研究を専門とした大学院に転職し、東南アジアや南アジアなどの政府職員を対象とした研修の受け入れを担当しました。日本の公共政策に関する講義や、日本の各省庁や関係機関を訪問する研修プロクラムの運営を担当する中で、政府職員へのアプローチというトップダウン型の国際協力に携わることができているという実感がありました。一方で、もっと草の根レベルで直接市民社会の問題解決に関わる仕事がしたいと考えるようになり、NGOへ転職を決めました。

鈴木さん

下鳥:そうなんですね。企業から転職して、学生時代から希望していた国際協力に関わる仕事に就かれたということでしたが、大学院で働く中で、自分のやりたかったこととのギャップなどはありましたか?

鈴木:そこまで大きなギャップは感じませんでした。大学院での仕事も非常に有意義で、日本の公共政策の在り方を外国の政府職員に伝え、国の発展に活かしてもらうというトップダウンの方法で貢献できているというやりがいがありました。

下鳥:いろいろな経験を経て、NGOへの転職を決められたんですね。その後、シャプラニールに入ったきっかけを教えてください。

鈴木:NGOで働いた経験がなかったため、最初はアフリカ・中東の平和構築を支援する団体でインターンを始めました。そのときにシャプラニールでのアルバイトにも決まり、今年の3月まで約9ヶ月間広報担当として勤務して、その後も引き続き縁があり、シャプラニールの海外活動グループのスタッフとして働くことになり現在に至ります。シャプラニールは草の根レベルで社会の様々な制度や仕組みから取り残されている人々に働きかける団体で、理念と実際の活動内容に対して大きな共感を持っています。

ネパールの防災事業(地震、洪水)を担当して

下鳥:次はシャプラニールに入ってからのことを教えてください。現在はどのような業務をされているのですか?

鈴木:海外活動グループでネパール事業に携わっています。洪水が起きやすい地域でのインフラ構築や、地域住民の防災に能力を強化する洪水に強い地域づくりプロジェクト、2015年の大地震で被害を受けた地域での復興支援プロジェクトを担当しています。

作業員と共に籠に石を詰める事業スタッフ_small

以前から、世界各地で自然災害によって多くの人が命を失ったり、大切な人たちや財産を失ったりしている状況を改善したいという思いが強くありました。そのため、シャプラニールで防災分野のプロジェクトに携われていることを嬉しく思っています。

下鳥:仕事をする中でどんなことにやりがいを感じますか?

鈴木:現地から届くプロジェクトの報告書を読んで、どのような成果があったかを実感できたとき、シャプラニールのこの事業には意義があったんだな、こういうインパクトを生み出せたんだな、と嬉しく感じますね。

普段の生活でも異文化コミュニケーション

下鳥:私生活や趣味についても教えていただけますか?

鈴木:現在は、国際シェアハウスに住んでいます。休日などにハウスメートと出かけたりするのが楽しくてたまりません。シェアハウスでは、留学生や日本で働いている人など多様なバックグラウンドを持った人が暮らしていて、今まで本当にたくさんの素敵な人に出会うことができました。

下鳥:私生活でも国際色豊かな生活を送られているんですね…!楽しそうです。でも、いろんな国の方と共同生活するのは大変なことも多そうですが…

鈴木:一緒に生活する中で、もちろん文化の違いに驚くこともあります。でもその国の文化や言語を教えてもらったり、異文化交流をしたりするのは本当に楽しくて、人間関係を築く上で国の違いは関係ないということを日々感じています。

現地の人々主体という意識をもって

下鳥:これまでいろいろな場面で国際協力に関わってきたと思いますが、そういった仕事をする中で心がけていることなどはありますか?

鈴木:現地の問題を分析して、こういうものや支援が必要だということは簡単ですが、それが現地の人の声が反映されていないものだと単なる押しつけになってしまいます。持続性という観点からも、現地の人主体でプロジェクトを進めることは大事だと思います。日々の業務でも、現地の人の声がどれだけ反映されているか、どのような効果があるのかを現地の人にどれだけ理解してもらっているかを意識しながら、プロジェクトに関わっています。

下鳥:それでは最後に今後の目標を教えてください。

鈴木:将来的には、防災の分野に限らず、様々な分野のプロジェクトを経験して、自分のスキルや経験値を上げていきたいという思いがあります。さらに大きなアクションを起こすために多様な機関と上手く連携していける人材になりたいと思っています。

 

学生時代から国際協力に関わる道を選び続けてきた鈴木さん。まっすぐで強い思いを感じました。

次回のインタビューもお楽しみに!