活動原則

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活動指針/活動原則を定め、活動しています。各指針の最後に、指針のPDF版をご用意しています。印刷や保存される方はPDFをご利用ください。

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海外活動行動指針

シャプラニールは、2001年度に法人化(特定非営利活動法人)するにあたり、その準備の一環として、海外活動全体を貫く考え方や今後の方向性を明らかにすることを目的に「海外活動行動指針」を作成した。一方、シャプラニール全体としても3年間の「中期ビジョン(2004~2006)」をまとめ、さらに5年間の「中期方針(2007~2011)」を策定。こうした中期的な方針にあわせて「海外活動行動指針」も見直すこととし、2008年に最初の改訂が行われた。その後、新たに「中期ビジョン(2013~2015)」がまとめられたことを受け、そこに示されている方針と、海外における活動の整合性を確認し、一層の充実を目指して改訂が行われた。今回、中期ビジョン(2016~2020)の策定を受け2019年3月に見直しを行った。

1. 目指すもの

シャプラニールは定款で、すべての人が豊かな可能性を開花することのできる社会の実現を目指すことを掲げている。私たちは、すべての人はみずからの力で立つことができると信じる。しかしながら多くの人が不公正な社会の構造によってその力を奪われ、尊厳をもって生きられない状況におかれている上、本来こうした構造を是正すべき「開発」が、むしろ不公正を助長しているという現状がある。シャプラニールはこうした現実を真摯に受け止め、人々が奪われた力を取り戻すこと、すなわちエンパワメントに取り組む。真のエンパワメントが個人のレベルで実現されれば行動が変わり、周囲に影響を及ぼし、それによって個人が属する家庭やコミュニティをはじめとした周辺社会の変化にもつながる。

すべての人々が尊厳を持って生きられる社会をつくるためには、単純に財やサービスを供給するだけではなく、個人のエンパワメントと同時に、構造的に人の尊厳を奪う社会的、制度的な仕組みを変えことによって根本的な問題の解決をはからなくてはいけない。そのためには既存の社会や制度の中で、力をもつ側にある人を含めた様々な当事者への働きかけが大切である。以上は人権の実現を目指すという考え方に通じるものである。
個人のエンパワメントも社会の変革も、様々な当事者が自らの持つ力を認識することなくしては始まらない。シャプラニールはこうした気づきを促すファシリテーターとしての役割を担い、主に現地パートナーを通じて様々な当事者(マルチステークホルダー)へ働きかけることにより、個人のエンパワメントおよび社会や制度の変化を目指す。

2. 原則 ~問題の根本的な解決のために~

(1)事実に立脚した状況の把握

開発の現場においては、問題の因果関係を誤って解釈し、それに基づいて行動してしまうことが多い。しかし貧困や差別・抑圧の問題は、世界や社会のあり方にその根をもっており、それを分析するには私たちは常に個々人の現実に光を当て、幻想や思い込みを排除した事実に立脚する必要がある。

(2)当事者主体の原則

海外活動の現場においては、南アジアにおける経済社会発展や開発援助から「取り残された人々」および、それを取り巻く周辺の人々が主体となること。すなわち、彼/彼女らあるいは現地パートナー等の組織が自ら考え問題を解決すべく活動することを重視する。また、シャプラニールはこうしたプロセスを、外部者かつ媒介者として支援する。

(3)多様な当事者への働きかけの強化

社会課題を解決するために、対象とする課題の構造や原因に深く関わっている多様な当事者の存在を認識し、そうした個人や組織への働きかけを強化する。

3. 活動内容

シャプラニールは、上記「目指すもの」に掲げた目標の実現に向け、個人のエンパワメントおよび社会や制度の変化を目指した活動を行う。実施にあたっては主にパートナーシップを通じて取り組み、特定の目標と期間、予算の定められたプロジェクト形式を基本とする。災害や紛争等の人道危機への対応も行う。緊急救援については、別途「緊急救援活動原則」を定めている。

また、効果的な活動を行うために以下のような取り組みも単独もしくは組み合わせて行う。ただし、アドボカシーについてはシャプラニールの強みである現場での実践に基づいて行う。

  • アドボカシー
  • 組織強化
  • 情報の収集と共有
  • 活動の波及や連携を念頭においたネットワーキング
  • さまざまな当事者間の経験交流の促進
  • 調査研究

なお、これらについて常に質の高い活動を行うため、パートナー団体との対話や交流を通じて組織のガバナンスを注視するとともに、シャプラニールとパートナー団体、双方のスタッフに対する必要な研修機会の提供など、人材育成等にも努める。

(2019年3月改訂)

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緊急救援活動原則

1.基本的姿勢

「市民による海外協力の会」としてのシャプラニールは、緊急救援を含めたあらゆる種類の海外協力活動を行うことがありうる。定款では、以下のようになっている。

第4条 この会は、前条の目的を達成するために、次の各号に掲げる特定非営利活動を行う。
  • (1)国際協力の活動
  • (2)災害救援活動
  • 〈以下省略〉
第5条 この会は、第3条の目的を達成するため、特定非営利活動に係る事業として、次の各号に掲げる事業を行う。
  • (1)生活向上の機会を著しく奪われている人々の問題解決への協力事業
  • (4)災害その他の緊急事態に対する救援、復興協力および防災事業

つまり、いわゆる開発協力事業を中心とするが、これまでも何度か行ってきたような緊急救援は、シャプラニール活動の重要な柱である。また人為的な災害が生じる社会的構造を意識した活動を、普段から行う。
なお緊急救援活動の際、長期的な復興および開発、あるいは災害予防や平和構築を視野に入れる。

2.対象地域

南アジア地域においては、実施について積極的な検討を行う。その他の地域においては、他団体に協力する可能性を排除しない。

3.対象とする災害と被害の様態

洪水やサイクロン、地震などに代表される自然災害だけでなく、戦争や武力紛争、コミュナル紛争などの人工災害をも対象とする。そういった災害の規模が大きく、多くの支援が望まれる場合を対象とする。特に貧しい人々、差別を受けている人々が多数、被災しており、かつ救援の手が十分差し伸べられていないケースに着目する。

4.活動スタイル

以下を原則とする。駐在員と多くの現地スタッフがいるバングラデシュでは、現地事務所を軸に救援活動を行う。ネパールでは現地NGOを通じるが、パートナー団体がこれを行う場合には、そこへの協力を優先する。他の地域では、現地で活動するNGOを通じた協力を行う。但し、新たな地域での継続的活動を戦略的視野に入れる場合には、直接的な活動を行うこともある。

5. 活動の内容

これまでシャプラニールが蓄積してきた経験を生かすことを念頭におき、災害の様態と緊急救援の状況を見ながら適宜適当な内容の活動を行う。

6. 意思決定のあり方

事態のレベル 事態の概要 決定者 活動予算
A プロジェクト地域周辺の軽微な災害、あるいは大規模災害で緊急対応が必要と判断される初期段階 現地所長&事務局長にて決定。理事会には報告のみ 50万円以下
B 南アジアで比較的大規模かつ重大な災害で緊急対応が必要と判断される場合 事務局長と代表理事にて決定。直近の理事会で事後了承。Aに続く場合も。 300万円以下
C 他地域で大規模かつ重大な災害で対応が必要と判断される場合。あるいは上記のAもしくはBの事態の発展として、大規模な活動を必要とする場合 理事会(持ち回りを含む) とくに定めない

 

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1.改訂の趣旨

1974年に手工芸品生産活動が始まってから46年を経て、バングラデシュ、ネパール両国の社会は大きく変化した。元来シャプラニールは「南北問題」の解決を目的に活動を行ってきた。バングラデシュ、ネパールは依然として開発途上国の中でも最も開発の遅れた後発開発途上国に分類されてはいるものの、2025年までには後発開発途上国を卒業する見込である。一方で、国内における格差が拡大しており、開発から取り残された人々への支援を行う中でより緻密さが要求される状況になりつつある。
 他方、日本国内では、持続可能な社会の実現に向けた市民の活動が一層活発になってきている。フェアトレードタウンの増加を一端としたフェアトレードへの認知度の高まり、企業のSDGs達成に向けた取り組みなど新たな動きが出現していることも顕著である。

このような日本も含めた活動地の社会変化の中で、クラフトリンクは活動規模の見直しを実施し、共生社会の実現に向けた活動の方向性を一層明確にするために改訂を行うこととした。その趣旨は以下の通りである。

    (1)社会の中でどのような状況にある人々「取り残された」状態にあるのかを認識するためにも、現地社会への深い洞察が不可欠である。海外活動の一環として、現地社会情報の発信に注力する。そして、手しごとを糧として収入向上が見込める人々がクラフトリンクの活動を通じて生活の向上が図れるように柔軟に対応ができるようにする。

    (2)日本社会では、「フェアトレード」「エシカル消費」という言葉の一般化に見られるように消費行動に対する意識変化が起きている。シャプラニールではクラフトリンクの活動目的が「トレード=貿易」ではないとして「フェアトレード」という言葉の使用を控えたこともあったが、今時代の流れと共に「フェアトレード」という言葉とともに活動していくことを明文化し、本活動指針をクラフトリンクのフェアトレード基準であることを改めて明示する。

    (3)「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標1・4・5・8・10・11・12・16・17への達成に貢献する。持続可能な社会を達成するために市民レベルでの参加が重要と考え、「国際協力への入り口」「市民活動」としての役割をクラフトリンクが今まで以上に担っていく。

2.活動目的

「すべての人が持つ豊かな可能性が開花する社会の実現を目指す」というシャプラニールの活動目的の中において、クラフトリンク活動は、商品を介して商品をつくる生産者(つくり手)、活動に関わる人(手わたす人)と消費者(つかい手)をつなげ、その関係性の構築がよりよい社会を実現することを目指すものである。

そのために、生産者を取り巻く社会課題への理解を日本国内で促すとともに、格差が広がる社会で片隅に追いやられた人々が「取り残され」ないよう、この人々の手しごとによって作られた商品を通じて生産者の生活向上に貢献する。
 また、クラフトリンクのフェアトレード基準である本活動指針に基づき、フェアトレード運動の活性化に寄与し、現地パートナー生産団体や国内の関係者と連携して、フェアトレードの普及に努める。

    (1)手しごとをなりわいとすることが生活向上、または次の収入向上のステップとなる「取り残された人々」へ目を向け、パートナー生産団体と協働、連携していく。

    (2)「クラフトリンク」という名称に込められた想いを引継ぎ、「クラフト=手しごとでつくられたもの」の販売活動を通じて、南アジアの「取り残された人々」、そして日本市民のエンパワメントを目的に、生産者、活動に関わる人、消費者が互いを思いやり、より良い関係や社会を築く。また、わたしたちが活動する南アジアの人々や文化、社会課題を伝える手段として「クラフト」を位置づけ、わたしたちが活動する南アジアの人々や文化について伝え、市民が国際協力に参加する機会を拡大させる。

3.活動指針

(1)活動の3つの柱

1. 手しごとをなりわいとすることで生活向上につながる、より厳しい状況にある人々に目を向ける。

2.日本の市民や消費者に徹底して現地の生産者を取り巻く社会状況や生産者の暮らしを伝える。日本をはじめとする市民の自発的参加のひろがりを促し、主に消費行動に関わる問題意識を啓発し、生産者と使い手の間のより良い関係性を築く。

3. 現地生産者の生活向上という共通の目的のもとパートナー生産団体と連携、協働し活動する。

(2)活動の原則

1. 生産者への配慮

  • 生産者とは、主に経済的に厳しい状況にある人、少数民族、カーストの慣習の中で低位に位置付けられる人、離婚した女性、寡婦などの社会的弱者、地理的条件等により就業機会に恵まれない人をはじめとし、手しごとを糧にすることで収入向上や被災等の危機を乗り越えられる状況にある「取り残された人々」とする。
  • この活動を通じて、生産者は生活状況が改善され、活動に関わる人々が自信ややりがいを得、自分が持っている力に気づき発揮できるようになる。
  • 生産者がもつ文化、伝統、技術を尊重する。
  • 雇用創出と継続的な就労機会の提供、またはより良い就労機会を得るステップとなる場とする。
  • 生産活動地は、生産者やパートナー団体の状況を詳しく正しく把握するため基本的に駐在員が派遣されている国での活動とする。

2.市民の自発的参加のひろがりによる、多様性が共存する持続可能な社会の実現を目指す

<何を販売するのか>

  • 手で作られており、伝統的な文化や人々の暮らしを映すもの
  • 生産現場で手に入れることができる素材を生かしたもの
  • 消費者が生産者の技術や努力を敬うことができ、生産者の顔や生活ぶりがみえるようなもの
  • 生産者、購買者の体に害のないもの

<何を伝え、提案するのか>

  • 生産者の置かれている環境や、暮らしぶり、文化、芸術、技術
  • 搾取や差別のない、持続可能な社会の提案
  • 国や文化、宗教などを超えて多様な価値を認め一人ひとりがつながることの大切さ
  • シャプラニールの活動、フェアトレード活動、国際協力

<搾取や差別のない持続可能な社会の実現に向けて>

  • 個人、企業、地域社会、他NGO団体などマルチセクターで連携し、フェアトレードの理念を広める
  • 市民の自発的参加による販売・購買活動の協力を得る
  • 魅力的な商品紹介に努め、多くの市民による商品購入を通じた活動への参加を促す
  • 市民に対し、情報の公開を積極的に行う

3.パートナー生産団体との協働
パートナー生産団体の選定にあたっては、組織規模の大小にこだわらず、目的を共にする団体をパートナーとする。パートナー生産団体とは、常に対話に基づいた連携と協働を心掛け、商品開発等に関しても必要に応じて取り組む。

<パートナー生産団体の定義>

  • シャプラニールが生産者として定義している人を採用している団体
  • 最低賃金の設定、仕事の公平な分配、労働環境の整備、利益の再分配、貯蓄の奨励など生活向上プログラムの実施等、生産者の立場に立って運営を行っている団体
  • 会計の透明性があり、賃金の支払いをきちんと行っている団体
  • 伝統文化を伝える魅力的な手工芸品や、その維持に努めている団体

<パートナー生産団体と協働する視点>

  • 生産者の生活サイクルや、労働環境に配慮すること
  • 販売の状況や日本での活動状況、市場情報についても共通の認識を持つように情報公開、対話に努める。
  • シャプラニールはパートナー生産団体から会計報告を定期的に受け取り、運営上の問題が見られる場合には改善の働きかけを行う。必要があれば、生産者がパートナー生産団体へ労働環境に対する意見が言えるような場の設定を提案する。
  • 上記パートナー生産団体の定義にあてはまらなくなった場合、また、改善の変化が見られないなど、パートナーとしての活動の継続が難しいと判断される場合には、パートナーシップの解消を検討する。
  • (2020年6月改定)

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    国内活動行動指針

    指針策定の背景

    シャプラニールは「市民による海外協力の会」という名前が示すように、1972年の創立以来、会員やサポーター、ボランティアなど多くの市民に支えられながら活動を育んできました。「日本」は海外協力活動の大切な「現場」の一つととらえ、スタディツアーや全国キャラバンの開催、ボランティア主体の企画など市民が学び、参加できるような活動を展開してきました。しかしながら、ここ数年、市民どうしが交流し共に学ぶことや、主体的に関わろうとしている人がやりたいことをやっていく活動の場が減ってきていると指摘されることも多くなってきました。活動に参加する過程で様々な可能性に目覚め、自分が変わればやがて社会も変わることを感じる機会を、再び作り出す必要が出てきています。

    このような現状を踏まえ、改めて市民による海外協力の会としてあるべき姿を問い直し活動内容を組み立てていくことが、今回の指針策定の目的です。

    国内活動をするにあたって

    シャプラニールは「すべての人々が豊かに共生できる地球社会の実現」を目標として活動しており、そのためには、互いの生活や抱える課題、価値観などに関心を持ち、地球に暮らす一人ひとりが「共に生きる」という意識を持つことが重要だと考えています。また国内外の市民の交流は、互いの経験を共有し、新たな視点や共通の目標を見い出すことにつながると考えます。国境を越えたグローバルな問題については、大げさな運動や仕掛けが必要であると考えられがちですが、われわれは自らの生活を見直し、それぞれの地域で自分たちのできることから共に取り組むことこそシャプラニールらしい解決への取り組みであると考えています。

    国内活動の目的

    上記のような考え方に基づき、「すべての人々が豊かに共生できる地球社会」を創る担い手となる市民が増えていくことを国内活動の目的とします。

    国内活動の3つの柱
    1. 市民による海外協力

    市民が身近なところから参加できる仕組みを作ります。
    日本国内により多くの賛同者を増やします

    2. 市民によるつながり合い

    日本国内で市民活動や当事者のネットワークを広げ、より波及力を持った活動を展開します。
    異なる文化、慣習、地域を越えて市民一人ひとりがつながり、目的を共有して協力し合って行動していくよう働きかけます。

    3. 市民による学び合い

    市民一人ひとりが互いの経験や知識を共有し、行動に移すための学びあいの場を提供します。
    国境を越えた相互理解を深めると同時に、人々の生活に目を向け、海外と日本をリンクさせることで、共通課題に気づき解決への道を一緒に探ろうとするきっかけを作ります。

    魅力ある国内活動を展開するために 国内活動は以下の点を重視します

    • 自分にもできると思える活動
    • 気づきのある活動
    • 南アジアに住む人たちが仲間としてつながっている実感がある活動
    • 現地の人びとの顔が見える活動
    • すべての人に開かれた活動
    • 波及力のある活動

    国内活動が、活動に関わる人にとって次のような機会になることを目指します。

    • いろいろな人との出会いから、学びあえ、活力を得ることができる
    • 自分の力に気づき、可能性が広がる
    • 自分が主体的に活動をつくることができる
    • 活動を通じて、社会がより良い方向に向かっている実感を持つことができる

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