カトマンズ盆地の中にあるキルティプール市パンガ地区は、地震発生直後カトマンズ事務所が一番初めに食糧支援を実施した地域です。

多くの古いネワール建築を有するこの街では、家屋が倒壊するなどして大きな被害を受けました。

3か月ぶりにこの地を訪問しました。

一部の家は取り壊し作業の真っ最中でしたが、瓦礫の撤去先はまだ見つからないそうで、取り壊し作業から出る瓦礫は道の脇にまとめられ歩道を狭くしていました。

20150917_114827.jpg取り壊しを行うためにもお金がかかり、最近では建設業者の日当が急騰しているため、なかなかがれき取り壊しも進まないということでした。

次にキャンプが設置されていた公立ジャナセワ学校を訪問しました。

このジャナセワ学校の校庭には、5月当初はテントが張ってあり、6月末に訪問したときにはトタン板の仮設住宅を建設し始めたばかりでしたが、今回訪問すると、テントはすでになく、トタン板の長屋が設置されていました。

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またこの校庭には、仮設住宅だけでなく、仮設教室や、女性のためのスペースも設けられていました。

ジャナセワ学校の6年生と7年生の教室も被害を受け、安全が確認されていないためこの仮設教室で授業を行っているそうです。

私が訪問したときに、ちょうど女性たちへの啓発クラスが行われていたので、見学をさせてもらいました。

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「みんなが集まって、ためになることを教えてくれるから楽しい」と参加者の一人は笑いながら話してくれました。

震災から5か月。

前に進んでいる部分もあれば、山積された問題の出口が見つけられない課題も多くあります。

ネパールは先日8年越しに憲法が公布され、新たな一歩を踏み出したと言われています。

一日も早い復興を祈るばかりです。

カトマンズ事務所長 宮原麻季