「バングラデシュの家事使用人として働く少女への支援」では、仕事の合間に少女たちが通える支援センターを週5日、ダッカ内の3地区で運営しています。センターでは基礎教育や技術研修のプログラムのほか、少女たちが普段の生活で必要な保健衛生と自分の体を理解し、身を守るために必要な知識を得られる性教育の授業を行っています。また、少女たちが自身の権利を認識し、行使できるようになるために「子どもの権利」に関するワークショップも定期的に行なっています。

「良いタッチ、悪いタッチ」について学ぶ

保健衛生と性教育の授業では、思春期の体の変化や「良いタッチ、悪いタッチ」について教えています。他人の家で一日中働く少女たちは、雇い先家族の男性メンバーから性的いやがらせを受けてしまうリスクがあります。しかし、それが悪いことであるという認識がない、そのような状況でどのように対応すべきか分からない、といった理由で声を上げることができないケースが多いです。そのため「良いタッチ、悪いタッチ」のワークショップでは、まずはどのようなボディタッチがハラスメントになるのかを教えています。

「良いタッチ、悪いタッチ」の授業の様子。女の子の絵を使いながら、何が良いタッチで、何が悪いタッチなのかを学ぶ。
授業の様子。女の子の絵を使いながら、何が良いタッチで、何が悪いタッチなのかを学ぶ。

自身の権利に気づき、声を上げるようになった少女たち

「子どもの権利」に関するワークショップでは、少女たち一人ひとりが持つ権利について説明しています。ハラスメントや子どもの搾取、児童婚といったテーマを取り上げ、これらが彼女たちの権利を侵害するものであることを教えています。

この結果、ワークショップに参加した少女たちは自身の権利を認識するようになり、不当な扱いを受けた場合に声を上げるようになりました!以下、少女たちの変化がわかる事例をいくつか紹介します。

〈これまで親戚から性的いやがらせを受けていた少女が〉
「良いタッチ、悪いタッチ」の授業内容を思い出して、声を上げて抵抗するようになりました。その結果、性的いやがらせを受けることはなくなりました。

〈児童婚の弊害について学んだ少女が〉
自分の結婚を計画し始めていた親と話し合い、「私は二十歳になるまで結婚しない」と意思をしっかりと伝えるようになりました。


他にも雇用主に労働環境の改善を求めるなど、これまで搾取されてきた少女達が勇気を振り絞って権利を主張するようになってきています。

私たちは、今後も少女たちの権利が守られるよう、少女たちや周りの大人達を巻き込んだ活動を継続していきます。引き続き応援どうぞよろしくお願いいたします。