シャプラニールは2006年から家事使用人として働く少女への支援活動を実施してきました。活
動をしていく中で分かったことは、送り出す側の家族は家事使用人として働く少女たちがどのような状況に置かれているのかを知らないということです。少女たちは学校を退学させられ勉強の機会を奪われるだけではなく、雇用主の家に閉じ込められ、子どもの権利そのものが奪われています。
このような状況に対しシャプラニールでは、少女たちの状況を社会問題として社会に伝えるキャンペーンを2012年から行っています。昨年までコミュニティラジオを通じた活動を6局で実施していましたが、コミュニティラジオは放送範囲が限られています。バングラデシュ全土、特にマイメンシン地方やボリシャル地方から多くの少女たちが送り出されていることが分かっていますが、マイメンシン地方にはコミュニティラジオ局がありません。そこで、今年度は全国公共ラジオ放送である「バングラデシュベター」で番組を放送することにしました。
児童労働反対世界デーである6月12日に合わせて放送を開始しました。番組では、毎回ゲスト
(使用人として働く少女、雇い主、NGO、政府関係者等)に来てもらい、ゲストの話を通じて、子どもたちの置かれた状況や子どもの権利についてリスナーひとりひとりに考えてもらえるようメッセージを伝えていきます。

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第1回の放送では、バングラデシュ事務所長の内山が 事業の背景や番組の目的を話した

このアドボカシー活動では、ラジオ放送の他、子どもの権利の日に合わせてテレビでもメッセージを配信する予定です。これらの活動を通じて、多くの人たちに問題を認識してもらい、子どもを送り出すこと、子どもを雇うことをやめようと考えるようになってほしい。そして、バングラデシュから使用人として働く子どもたちがいなくなること。それが、私たちが目指していることです。

支援センターの少女たちが堂々と自分のことを話してくれた

マフザ・パルビン(シャプラニールバングラデシュ事務所プロジェクト・オフィサー)