2019年5月3日から4日にかけて、大型のサイクロンFaniがバングラデシュに上陸し、全土に大きな被害を及ぼしました。シャプラニールでは、数日前からサイクロンの上陸に備え、現地で情報収集を開始。また、洪水発生後には現地のパートナーNGO・ Jagrata Juba Shangha(JJS)と連携し、サイクロンシェルターに避難している人々のための非常食購入資金を提供し、避難時の緊急支援を実施しました。

サイクロンが去った現在も、冠水被害が大きかったJJSとの活動地域(ショロンコラ郡サウスカリユニオンのボギ村)では、多くの住民が親戚の家などに避難しています。現地では引き続き状況把握、支援ニーズの情報収集を行っています。

■現地の被害報告
2019年5月3日から4日にかけて、大型のサイクロンFaniがバングラデシュに上陸した。上陸後は時速50/60km程度(インドのオリッサ州では最高時速200kmを観測)に弱まったものの、約10時間にわたりバングラデシュ全土で被害を及ぼした。現地の新聞(5月5日付)によると、このサイクロンによる死者は14名となり、少なくともバングラデシュ南部のPatuakhali、 Bagerhat、 Bhola、Satkhira県 にある36村が冠水被害にあい、2,000万人の生活が影響を受けたと報告されている。

■シャプラニールの主な対応
<5月2日夜>バングラデシュの南西部に位置するバゲルハット県(ベンガル湾に一部面している)のショロンコラ郡で活動するJJS*から連絡を受ける。サイクロンシェルターに避難している人に向けた非常食の購入資金を提供してもらえないか、という要請が当該地域の行政から寄せられたとのことだった。
*「バングラデシュのサイクロンが多い地域での防災支援」についてはコチラ

シェルター

避難シェルターの様子 (JJS提供)

 

<5月3日朝>シャプラニールとして資金提供を決定し、結果20サイクロンシェルター分の非常食が届けられた。

非常食の配布

防災対策委員会メンバーによる非常食の配布の様子(JJS提供)

■現地の様子
・大型サイクロンが接近している情報が事前に共有されていたため、早めにサイクロンシェルターへの避難が行われ、死者はでなかった(5/4時点)。今回の避難および物資配布には、防災減災指導を行った学校の生徒たちの多くがボランティアとして参加してくれた。

■ショロンコラ郡サウスカリユニオンのボギ村について
・サイクロンが去った後も、活動地のショロンコラ郡サウスカリユニオンのボギ村での冠水被害が大きかったことが確認された。80世帯以上が被害を受けており、現在も住民は親戚の家などに避難を続けざるを得ない状況が続いている。引き続き状況把握、支援ニーズの情報収集を行っている。
・現地のNGOによる支援もみられた。これまでに、例えば、医療品、ろうそく、乾燥米、調味料、水などが配布されている。冠水しているため、飲み水の確保がとても難しい。

ダメージは甚大

堤防が崩れ、大量の雨水が激しく流れ込んでいる様子(ベイリシュワリ川)(JJS提供)

被害は甚大

サイクロンが去った後の冠水した村の様子。物資配布などの支援が困難な状況。(JJS提供)

被害は甚大

農作物、魚を養殖している池への甚大な被害は深刻(JJS提供)

被害は甚大

水位は低くなってきたものの、家財道具は濡れすぐに自宅で暮らすのは難しい状況。(JJS提供)