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第11回 人生を変えた国(学生 宇野飛来さん)

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リレーエッセイ「私の好きなバングラデシュ」

バングラデシュ・・・
それは私が初めて行った外国であり、人生を大きく変えられた国といっても過言ではありません。

2011年3月11日、私は東日本大震災によって被災しました。家が全壊になり、父の店は津波によって営業不可能の状態に陥り、何もかもを失いました。その当時は住む家もない、食べるものもない、といった状況で、車の中で何日間か少ないお菓子を食べながら過ごしていました。まさに不幸のどん底だと思いました。
その1年後の2012年3月、シャプラニールが実施するスタディツアーでバングラデシュを訪問しました。

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筆者による東日本大震災での経験の発表を、真剣な表情で聞くダッカの高校生たち

初めて乗る飛行機は不安ながらもわくわくして、不思議な感覚でした。いざバングラデシュへ着くと、空港内は日本とは大違い。軍の空港ということもあり、なんだか刑務所のような雰囲気がしました。外へ出ると、鉄格子に人がたくさん集まっています。初めての海外、バングラデシュ、到着したときはまだまだ不安でいっぱいでした。

バングラデシュ滞在中、いろいろな経験をさせてもらいました。まず印象深かったことは、ストリートチルドレンや物乞いの存在です。バスに乗っていると、片腕を失くした男の子が1ドル札を窓に当てつけて「お金をくれ」と言ってきます。スーパーに行けば、家族が物乞いをしています。その光景が私にはとても衝撃的でした。どうして良いかがわからなかったのです。そこでお金をあげるもあげないも、私たちの選択。それがとても難しかったです。結果、他の参加者と話し合い、私たちは渡さないという選択をしました。上手く言えませんが、私はお金をあげてしまうことで彼らの人生に加担するような恐怖感があったのです。その選択が正しかったのか、今でも私はわかりません。

家事使用人として働く少女たち

家事使用人として働く少女たち

また、家事使用人として働く少女たちが通うセンターを訪れ、実際に少女たちの話を聞いて胸が痛くなりました。私たちは学校に行くのが当たり前で、行かないという選択肢がまずありません。今まで普通だと思っていたことが一瞬で普通ではなくなりました。

農村部ではとある男の子と出会いました。私たちが宿泊する施設の近所に住んでいる様で、よく遊びにきていました。ある日、私たちが何か食べているとき何気なく「食べる?」と聞くと「No」と言い、それどころか、立っていた私たちに、座るためのイスを運んできてくれました。私たちには当時、彼の真意を理解できるだけの頭がありませんでしたが、彼らは私たちにおもてなしをしてくれたのだと思います。

農村部で出会った子どもたちと一緒に

農村部で出会った子どもたちと一緒に

その男の子は決して裕福な生活をしているようには見えませんでしたが、いつも笑っていました。東日本大震災で私はとても辛い経験をしましたが、貧しい環境の中にいる彼らが、ここまで笑えるということに、私は元気をもらいました。辛いながらも笑顔を見せて、お互いに元気づける、そんな彼らが私はとても羨ましかったのです。私たちが普段忘れている何かが、彼らにはあったような気がします。

 

バングラデシュへのスタディツアーがきっかけで私は今海外に興味があり、いまは大学でそのためのツールである言語を学んでいます。将来的には貧困地域への支援を少しでもしていきたいと思っています。バングラデシュへのスタディツアーがなければ、多分私は今この道に進んでいなかったと思います。この機会を与えてくれたすべての方々に感謝をしています。またいつか必ず、バングラデシュを訪れたいです。

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<プロフィール>
宇野飛来(うの・ひらい)
福島県いわき市出身・都内大学の2年生
2012年にシャプラニールが実施した中学生・高校生スタディツアーで、バングラデシュの高校生に東日本大震災の経験を伝えた。

<シャプラニールとの関わり>
東日本大震災を経験した福島県の中学生・高校生の中から作文による応募書類で選ばれ、2012年3月に実施した中学生・高校生スタディツアーに参加(当時中学3年生)。

 

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