シャプラニールは現地のNGOとパートナーシップを組んで事業を実施しています。そのなかで、長く一緒に事業に取り組みながら互いに学びあい、協働する団体もあります。そんなパートナー団体から50周年に寄せて、シャプラニールとのあゆみを振り返ってメッセージをいただきました。


パートナー団体:CWIN(シー・ウィン/Child Workers in Nepal Concerned Centre)

ネパールの児童労働の課題解決にともに取り組む仲間として

シャプラニールの皆さま、50周年おめでとうございます。10年に渡りネパールの児童労働問題の解決のために、ともに協働してきたパートナーとして心から嬉しく思います。

これまでシャプラニールとは2つの3年間の事業のほかにも緊急救援や、チャイルド・ヘルプ・ライン支援事業などさまざまなプロジェクトを実施してきました。2011年から2014年にかけて行った最初のプロジェクト「カトマンズ盆地におけるレストラン児童労働の予防と削減事業」では、主に首都カトマンズ市内の飲食店で働く児童への支援を行いました。このプロジェクトで立ち上げた児童保護委員会および、策定した児童労働保護のガイドラインは、今も事業を実施した地域行政が主体となって運営、運用されています。

コロナ禍を乗り越え2年越しの対面会議での記念の一枚

チャイルド・ヘルプ・ラインの事業では、ネパール全土に渡って脆弱な子どもや家族に向けての無料電話を設け、医療、食料支援、レスキュー、レスキュー施設での子どもの保護といった緊急対応を行っています。特にCOVIDー19では多くの脆弱な人々が被害をこうむり、ヘルプ・ラインが大きな成果を上げました。

2021年から取り組んでいる「地域で児童労働を減らすためのプロジェクト」では、児童労働者を多く輩出しているマクワンプール郡マナハリ村で児童保護政策とその実施計画を地方行政とその役割を担う委員会と策定しています。児童労働に陥りそうな子どものケースマネジメントについて、シャプラニールからノウハウを取り入れ活動しています。

COVID-19で困窮する家族へ緊急食糧支援の様子

課題を抱える人々に寄り添い、一緒に問題解決につなげるというシャプラニールの考え方は、現場で成果を上げてきました。これからもネパールの児童労働問題に対してともに取り組んでいきたいと思います。

会報「南の風」297号掲載(2022年9月発行)