シャプラバ!

「シャプラバ!」は、シャプラニールをさまざまな形で支えてくれる皆さまの
シャプラニールのとのかかわりや海外協力への思いなどをご紹介します!


福澤郁文さん 地域連絡会「シャプラニール・ショミティ横浜連絡会」代表
       シャプラニール・シニアアドバイザー/アートディレクター

周囲を高くたおやかな峰々に囲まれて過ごした信州での少年時代、「あの山を越えていつか広い世界へ」と夢見て過ごしていたように思う。バングラデシュ独立戦争直後の1972年4月、アジア学院創設者の故高見先生の呼びかけに応えた『バングラデシュ復興農業奉仕団』の一員として、目の前に地平線の広がる彼の大地に立った。そのときに少年時代の夢は叶った。

帰国後に始めた「ヘルプ・バングラデシュ・コミティ」結成(シャプラニールの前身)から、いまのシャプラニールまでを、古希を過ぎた今、ふりかえり眺め返してみると、石ころだらけの山道を迷いながらの登山のようでもあり「よくここまであきらめず登り続けてきたな」と感慨もある。

大学民主化闘争やデザイン教育変革に向けての議論、世間からは「大学紛争」なんて言われてはいたが、われわれも学生時代は政治、社会問題と向い合う姿勢があり、仲間たちと果てしなく未来を議論していたように思う。しかし、バングラデシュでの独立戦争の混乱と人びとの貧困を目のあたりにして、重い塊のようなものが胸につかえてしまい、どこで何をしていてもその塊を抱えて生きていくしかないようだった。

私の本業は、本、雑誌の編集デザインが主なる仕事ではあるのだが、地球と都市圏を結ぶ『南信州フォーラム』開催、聖心女子大学グローバル共生研究所の『女性と社会的弱者にとっての気候変動』の展示ディレクション等の仕事も続いている。NGO・NPO活動支援などデザイン面から活動協力することも大切な仕事だった。浮き沈みの激しい業界でも好きな仕事を続けてこられ、みなさんに感謝している。横浜連絡会は地域の人たちと協力の輪を広げ、新しい活動グループ・ショミティを続けていければと。今の時代を厳しく見極めつつ「継続を力に」だね。

2018年正月シャプラニールの面々が横浜に集う。共に活動を担った絆は心強いね。

2018 年正月、シャプラニールの面々が横浜に集う。共に活動を担った絆は心強いね。

>この記事は会報誌286号(2019年12月発行)に掲載しています。