クシクシ倶楽部のメンバーとして、シャプラニールの活動を支えてくださっている田中さんが先週事務所にいらした際に、東日本大震災関連の書籍を持って来てくださいました。東北という土地を愛し、たびたび足を運ばれている田中さん。3.11から12年経った今日の日に、想いを寄せてくれました。


私は、かれこれ30年来の”東北大好き人間”です。もし今の世の中に「古き良き日本」が残っているとすれば、それはみちのく=東北地方だと思っています。豊かな自然や風土、何より義理人情に厚く温かい方々・・・。そんな東北が12年前の3/11、とてつもない悲劇に襲われました。大津波による甚大な被害を受けた岩手や宮城に、より多くの支援が集まる一方で、原発事故も併発した福島には当初、支援物資は勿論の事、マスコミですら入る事を躊躇い、正に「取り残された」状態に陥っていました。そんな中、多少の偶然があったとはいえ、現地に入る決断を下したNGOの1つがシャプラニールでした。 

田中さん


あれから12年。 27,399人。今年2月1日現在、主に原発事故の影響で、福島県内外で今なお避難生活を送る方々の人数です。トルコ・シリア地震やウクライナ侵攻、コロナ等々 世の中で次々と起こる災禍や、今真っ只中のWBCや2年前の東京オリ・パラといった華やかなイベント。人手の戻った新宿・渋谷・都会の繁華街・・・。その陰で、12年たった今この瞬間も、人知れず避難生活は続いています。 

片方で湯水の如く電気を使って便利な生活を享受しながら、もう一方では、除染廃棄物の保管や原発汚染水の海洋放出等、更なる負担を福島に押し付けたままです。電気が足りない・電気代が上がると言って、なし崩し的に原発再稼働に向かおうとする動きもあります。 

私たちの社会は、12年前に体験した、大切な何かを忘れてはいないでしょうか?そして誰かを取り残したままにしていないでしょうか? 3.11に想う。自戒を込めて。

ボランティア 田中 政行