バングラデシュに冬がやってきた、と感じるのは、通りのあちこちにピタをつくる屋台が出始めること。

「ピタ」とは、主にお米の粉で作った菓子(スナック)のことで、「ウットショブ」とはフェスティバルという意味です。ベンガル地方(バングラデシュと西ベンガル州)では昔からある伝統的な文化のひとつで、肌寒いこの時期、夕方になるとあちこちで屋台がでます。小腹がすいた夕食前にぴったりの温かいおやつです。ピタには何十種類もあるそうですが、なかでも代表的な2つのピタを紹介します。

ピタ屋台に並ぶお客さん

ピタ屋台に並ぶお客さん

 

チトイ・ピタ(Chitoi Pitha)

米粉に少量の塩を加え、水で溶いたものを小さなフライパンで焼きます( 油はひかない)。できあがりは日本のお餅です(もち米ではないので伸びませんが)。このお店では、3種のペースト( 干し魚、パクチー、マスタード)をお好みでつけながら食べます。

チトイ・ピタ

チトイ・ピタ

チトイ・ピタを焼く様子

チトイ・ピタを焼く様子

バパ・ピタ (Bhapa Pitha)

米粉に少量の塩と水を加えて混ぜます。米粉を器に入れ、ナツメヤシの蜜と削ったココナッツをのせ、そのうえに米粉をかぶせてかるく固め、蒸します。ふわふわの生地の中からナツメヤシの甘い蜜が出てきます。日本のおまんじゅうのような感じです。

バパ・ピタ

バパ・ピタ

バパ・ピタは蒸して作る

バパ・ピタは蒸して作る

文/写真 内山 智子(バングラデシュ事務所長)
この情報は会報「南の風」291号(2021年3月発行)に掲載しました。