11/2(土)に開発教育協会が主催する”SDGs教材おためしセミナー2019″で分科会を担当してきました。

このセミナーは、NGO等のリソースや経験を活かした開発教育プログラムづくりをサポートするもので、6つのNGOやNPOによるオリジナルの教材を体験してもらい、教員や学校関係者、地域の指導者との意見交換をおこなうというものでした。

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この日、シャプラニールが行ったのは、バングラデシュの家事使用人として働く少女について知る教材。
この教材を外部で正式に行うのは初めてでしたが、実際に学校の現場で働く先生方などにたくさんのアドバイスをいただき、とても有意義な時間となりました。
まだまだブラッシュアップが必要な教材ですが、今日は教材の中身をご紹介します!

▼写真から想像しよう
アイスブレイクがてら、まずは簡単なワークから。
グループごとにある女の子の写真を見て、この子は何才くらい?何をしてるの?どんな表情かな?など、ざっくばらんに意見を出してもらうフォトランゲージを行いました。
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▼どうして働いてるの?
さっき見た女の子たちは家事使用人として働く少女だということを知ったあと、なぜ働いているのか?を考えてもらいました。どのグループも最初に出てくるのが「貧困」。
ほとんど追加情報がない中で、想像力を働かせ、たくさんの意見を出してもらいました。
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▼ロールプレイを通じて、少女とその周辺の人々の考えや思いを知ろう
続いて今回のワークショップのメイン、ロールプレイング。
グループごとに、ある農村部に住む11歳の女の子を家事使用人として働きに出すかどうかを話し合ってもらいました。役割は少女、父親、母親、仲介人、雇用主、小学校の校長、NGOスタッフ。参加者がそれぞれのシナリオを元に役になりきって議論します。

ロールプレイって難しいかな…
議論が盛り上がるかな…と心配をしましたが、そんな心配をよそに議論はヒートアップ!
(中には父親役と母親役の夫婦喧嘩を繰り広げるグループも!?)

結婚するのが女の子にとっては一番の幸せと信じる父親、複雑な心境の母親、貧しい家庭を助けるために子どもを雇おうとする雇用主など、色々な立場の人の思いを知り、児童労働の複雑な背景を感じてもらいました。

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”バングラデシュの社会構造が、個人の価値観に強い影響力をもたらしていることを知って驚いた”
“児童労働の奥深さを目の当たりにした”
”どの立場の人も少女の幸せを願っているからこそ、この問題の難しさを痛感した”

といった児童労働やバングラデシュ社会に対する驚きの声のほか、

“ロールプレイを通じて多角的な視点から背景を理解できた”
“ストーリーとして体感できるから、心に刻まれた”
“ロールプレイって面白い!もっと議論したい!”
というロールプレイという手法に関する感想もたくさんいただきました。

今回は時間が限られていたため、ロールプレイをするところまでしかできませんでしたが、
学校でやる際は、自分たちに何ができるのかアクションを考えるワークを行いたいといった声もいただきました。

参加者にはロールプレイを通じて「家事使用人として働く少女にとっての幸せとはなにか」を考えてもらいましたが、その幸せはきっと、私たち自身や日本の子どもたちなど、誰にとっても幸せなことなんだと思います。家事使用人として働く少女が”遠い国の知らない人”ではなく、同じ地球に生きる仲間であること、そして児童労働という問題を自分ごととして認識してもらうきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

今回紹介したワークは以下よりダウンロードすることが可能です。
授業や勉強会でやってみたい!詳細を知りたい!そんな方はぜひご覧ください。

「わたし8歳、 職業、家事使用人。」ダウンロード教材

国内活動グループ 京井杏奈