インクルーシブ防災の考え方を広めるために

シャプラニールでは、学生の方々とともに、誰も取り残さない、インクルーシブな防災について考え、アクションを起こす企画「SAVE LIFE SAFE LIVE」を進めています。

ワークショップとアート作りの二部構成となっている本企画の前半となる「インクルーシブ防災」について学ぶワークショップを1月21日に行いました。

今回の企画に賛同し参加してくださることになったのは、学習院女子中・高等科の皆さん、そして在住ネパール人が多く通うエベレストインターナショナルの学生の方々。日本・そしてネパールにルーツを持つ学生たちが、国や言葉のちがいをこえて、防災について考えます。

ワークショップで「インクルーシブ防災」がどんなものなのか理解を深める

当日は、両校の学生を混ぜた6つのグループに分かれ、まずは国・母語の異なる初対面の生徒たちの緊張をほぐすアイスブレイクを行い、お互いに自己紹介。その後ワークショップが始まりました。

ワークショップでは防災士の資格を持つシャプラニールのスタッフ勝井から日本、日本・そして世界で増える続ける災害について話し、その後、災害発生時に取る行動について考えるワークを実施しました。

巨大地震が起きた後まずする行動は?みんな意見を出し合います

地震速報アラームなどアラームに気づいた後、どのように避難するかなど、ネパール出身の学生が日本の学生とお互いの理解をすり合わせる時間にもなりました。そして、その次は災害発生時に取り残されやすい方々の立場に立って考えるワーク。もし、自分が「赤ちゃん連れの方」、「目の不自由な方」、または「日本語全くわからない観光客」だったら、災害が起きた時どんな困りごとに直面するのか、困りごとを解決するためにどんなことが必要なのかをグループで話し合いました。

出てきた意見をメモしていく

最後はそれぞれのグループで、出てきた意見を発表してもらい、「目が不自由だったら、障害物を避けながら避難するのは困難なため周りの手助けが重要になる」「避難所では赤ちゃん用のベッドがないためどのように対応するべきか考える必要がある」「日本語がわからない人はいざという時に状況を把握するための多言語のアプリをいれておく必要があるのでは」等、今ある備えだけでは足りない点や改善した方がいい点が見えてきました。

グループで出た意見を発表するエベレストインターナショナルの学生

インクルーシブな防災と一言に言っても、人々の置かれた状況はさまざまで、すべてに対応するのは難しいことですが、ひとりでも多くの命を守るためにどんなことができるのか諦めずに考えていく必要があります。今回のワークでは特に災害時、困難に直面することの多い人々の立場に立って考える時間をつくることで、より「インクルーシブ防災」を広めていく意義を強く意識できたと思います。

学びを形に。インクルーシブ防災のマークを考えよう

そして今回の企画は、学んだことをアウトプットし、さらにアクションとして広げていくためにアートづくりを取り入れました。

まずは、学生たちに、まだまだ浸透していないインクルーシブ防災の考え方を多くの人にわかりやすく伝えるために、「インクルーシブ防災」を表すシンボルマークを作ってもらいます。


今回、アートによって社会にどんなアクションができるのかより実感してもらうため、マークを作る前に、特別ゲストとして、イベント・商品企画・ブランドプロデュースなど幅広いジャンルでクリエイティブ・ディレクターとして活躍している辻 愛沙子さんにクリエイティブの力が社会問題解決に与える影響をテーマに講演していただきました。

これまで関わってきた事例について説明する辻さん

時代・社会の変化に合わせてクリエイティブデザインも求められるものが変わってきていること、どのようなマークが伝わりやすくよりインパクトを与えるものになるのか等辻さんのご経験を交えてお話しいただきました。

グループで協力しマークを作り上げる

講演後、早速アート作りに取り組みます。最初は、ひとりひとりそれぞれが考えるインクルーシブ防災のマークを書いてもらいました。

ハートや人、パズルのような形…いろいろなアイディアが出てきます

それぞれが考えたマークをグループ内で共有し、最後はグループで一つのマークを完成させます。意見をすり合わせるのは時間がかかりましたが、言語に頼らない絵を使ったワークは、母語の異なる学生の方々にとってより活発に意見を出しやすい状況になっていたようにも感じました。

みんなのマークを見せ合って話し合い
学習院・エベレストインターナショナルの学生が協力しあってマークを作り上げます

最後はグループの代表が前に出てマークを見せて発表!

たくさんの力作たちが並び、発表の後は大きな拍手に包まれました。

どんな意味が込められたマークなのかグループごとに発表

ワークショップを終えて

今回のワークショップは初の試みとなる部分も多くありましたが、学生の皆さん・先生方の協力のおかげでインクルーシブ防災について学ぶだけではなく、それぞれ感じたことをアウトプットする時間までたどり着くことができ、充実したワークショップとなりました。

イベント終了後のアンケートでは、「いい学びの機会となった」「インクルーシブ防災について理解を深められた」といったポジティブな意見が多く見られました。

今回、学生どうし会話をする中で言語の壁を感じる部分も多くありましたが、こういった点でも、異なる言語や文化をもつ人々とともに協力して意見をまとめ何かをつくりあげる難しさ、その中にある面白さも実感できる機会になったのではないかと思います。


<はがき大募集!できあがったマークで大きなアートを作ります!>

学生の皆さんが作ったインクルーシブ防災のシンボルマーク。

このマークを通じ、多くの方にインクルーシブ防災の考え方を知っていただけるように、1万枚の書き損じはがきを使って巨大アートにします!

アート作成は3月24日を予定。当日、今回ワークショップに参加してくれた学習院女子中・高等科、エベレストインターナショナルの皆さんとともに作品づくりに挑みます。

使用するはがきは、事務所にご寄付いただいたものを使用します。アートづくりのあと、換金され、シャプラニールが行うネパールやバングラデシュでの災害に強い地域を作る活動などに使われます。インクルーシブ防災を広めるとともに、南アジアの防災・減災活動への支援にもなる、今回の「SAVE LIFE SAFE LIVE」の企画を、ぜひ多くの方に「はがき」で応援いただければ嬉しいです!

はがきの送り先はこちらをご覧ください!

ステナイ生活担当 ダハル スディプ