ダッカ襲撃事件から一年を迎えて

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2017年7月1日
シャプラニール事務局長 小松豊明

バングラデシュで45年間活動してきた私たちにとって、昨年7月1日にダッカで起きた襲撃事件は、いくつかの意味で大変衝撃的な出来事でした。

これまでも政党同士の対立によりなどの呼びかけによって、ホルタルと呼ばれるいうゼネストが頻発するなど、政情が不安定になり治安状況が悪化することは珍しくなかったものの、今回のようなテロ事件はほとんどありませんでした。特に、多くの外国人が標的になったことにより、バングラデシュで活動する外国の団体、企業が危機管理を根底から見直さなければならない事態となったのです。また、今回の襲撃事件の実行犯グループが、比較的裕福な家庭で育った学生等により構成されていたことも驚きでした。過激な思想をもった特定のグループに限らず、誰もがテロの実行犯になり得るという現実を突き付けられました。

襲撃事件直後にはバングラデシュから撤退すべきという声もありましたが、何度も組織内で議論した結果、できる限り活動を続けるべきと判断し、そのために必要な対策をとることになりました。特に考えなければならないのは駐在員を含む現地スタッフの安全管理です。
これまであった危機管理のマニュアルでは、今回起きたようなテロ事件には充分対応できないため、新たな危機対応マニュアルが必要となりました。その策定にあたり、安全管理の専門企業と契約しアドバイスを受けるとともに、関係スタッフの研修等も集中的に実施しました。これまで私たちはバングラデシュ社会に受け入れられるような振る舞いを心がけ、さらに活動地の行政や警察などと良好な関係を築き独自の情報収集ルートを保つなど、安全管理における3つの要素の中でもとりわけ「受容」を重視してきました。今回テロ事件を受けて車による移動の徹底や、防犯カメラの設置など「防御」のための対策も講じてきています。

安全管理上、駐在員の日常の行動も制約せざるを得ず、遠隔にある事業地の訪問モニタリングもこれまでのように自由には行えません。そういった状況の中で現地プロジェクトの質をいかに維持するかが大きな課題ですが、現地バングラデシュ人スタッフによるモニタリングの頻度を上げる等の工夫をしながら活動を進めています。

事件から1年が経過しましたが、今もバングラデシュ各地で過激派メンバーの摘発が事件が散発し続いており、治安が回復したとは言えません。しかし、このような状況の中でも、安全管理を徹底しながらバングラデシュの社会課題解決のために活動を継続していきたいと考えています。シャプラニールを支えてくださる支援者のみなさまからも、多くの激励をいただいていますこと、心より感謝いたします。

今後とも引き続きご支援を賜りたく、よろしくお願いいたします。
 
子どもの笑顔
 

 
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1972年のバングラデシュ独立直後から活動を開始した私たちは、皆さまの支えによって今年45周年の節目を迎えることができます。
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<イベント>
※本イベントは終了いたしました。イベントレポートは近日公開予定です。
報告会「ダッカ襲撃事件から1年~テロ後のバングラデシュとシャプラニールの活動~」
【日時】2017年7月15日(土) 14:00~16:00(13:45開場)
【場所】早稲田奉仕園 You-Iホール[地図]
事件後にシャプラニールがどのような安全対策を取って活動を続けてきたか、そして危険が伴う中、なぜ活動を続けるのか、変わっていく社会の中で私たちNGOが持つ役割とは何か、ダッカ事務所長を務める菅原がお話しします。
詳細・お申し込みはこちら
 


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リレーエッセイ「私の好きなバングラデシュ」1~12
2016年の事件後、シャプラニールが知る等身大のバングラデシュを多くの人に知って欲しい、不安から生じるネガティブな印象を少しでも払拭したいという思いから、シャプラニールとバングラデシュにゆかりが深い方々によるリレーエッセイを公開しました。
バングラデシュに住む人々、バングラデシュの暮らしや豊かな文化について、ぜひ触れてください。
 
私が好きなバングラデシュ
 

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