「グローバル開発協力を考えるーロヒンギャ難民支援を事例に」に参加しました

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こんにちは広報グループインターンの栗田です。
先日聖心女子大学で行われた「グローバル開発協力を考えるーロヒンギャ難民支援を事例に」に参加しました。今回はそこで学んだことやこれからのロヒンギャ難民支援の可能性についてご報告します。

今回の講演会にはシャプラニールからは、事務局次長・藤崎文子さんと監事の大橋正明さんが登壇し、国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)やセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンなど世界の難民問題に取り組む方々が勢揃いの講演会でした。

シャプラニール事務局次長の藤崎文子さん(右)と聖心女子大学教授でシャプラニール監事の大橋正明さん

シャプラニール事務局次長の藤崎文子さん(右)と聖心女子大学教授でシャプラニール監事の大橋正明さん

私は在学している大学の公式学生団体S.A.L.の中にある「ロヒンギャ難民プロジェクト」(もしかしたら誰も知らない(マイナー)プロジェクトかもしれません!?)に所属しています。ロヒンギャを中心に難民問題を注視し、スタディツアーや日本にいる難民の方々との交流を通して日本・大学生の間での認知度向上に取り組んでいます。そこで今回の講演会にはそのプロジェクトに属している2人の友人も参加してくれました!「文献や報道からは得ることが難しいタイムリーな情報を聞くことができて面白かった」、「今まで自分の知らなかったことや、ネットや新聞では知ることのできたとても貴重な機会」だったと感想を聞かせてくれました。

講演会の後にお急ぎの中質問に答えてくださったへベカー氏

講演会の後にお急ぎの中質問に答えてくださったへベカー氏

「ロヒンギャ難民が誰なのか?」という紹介から、日本赤十字社やセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン等のNGO、そしてUNHCRの代表ダーク・へベカーさんからの活動報告を聞き、ロヒンギャ難民問題を多様な視点から見ることができました。

先日、国連報告書の中で「国連の組織内部に結束よりむしろ分裂の力学があった」こと、明確に統一された戦略や現地からの情報分析の欠如についてその責任を認め、ロヒンギャへの対応について反省の意を示しています。このようにして誰からも助けの手を差し伸べられず迫害され続け過酷な現場を強いられてきたロヒンギャですが、今では難民キャンプも多く設置され様々なNGOやNPO、赤十字等が現地で支援を続けています。

 

 

◆私がこの講演会を通して学んだこと

難民問題は難しい問題ですが多くの資料が配布され分かりやすかったです

難民問題のという複雑なトピックでしたが、多くの資料のおかげでわかりやすかったです!

① ロヒンギャの根本的な解決に必要なのは、当たり前と思われるかもしれませんが、難民キャンプの発展ではありません。
長期化しつつあるこの問題ですが、長期的に彼らを難民キャンプで養うのではなく彼らが自分の意思に沿った行動が取れるような体制を築き上げる必要性があると思います。もちろん今の段階ではNGOやNPO、ボランティア、支援者の尽力でロヒンギャの人々は支えられています。しかしこれからのロヒンギャ問題解決へのアプローチとして必要なのは、バングラデシュやミャンマー国内の人権教育であり、それらがなされない限り、ロヒンギャは迫害し続けられると考えられているといいます。

② 国連等の国際機関のスタンスの確立が必要
すべての加盟国を取りまとめ世界の秩序と平和を維持するはずの国連ですが、その存在は実際勢力の均衡を保つ事が出来ているのか、と考えさせられました。一見中立的な国連ですが、それを構成しているのは主権国家の集まりである限り政治的な要素をはらんでしまいます。国連報告書の弁明にもありましたが、国連の内部の分裂が起きてしまっては世界を取りまとめるはずの国連がもたらしている効果が逆効果で、悪影響を及ぼすことがあることを痛感しました。不可侵な国際法制度や国際機関の規律を実現するためには何が必要なのか、改めて考えさせられました。

③ 今回一番心に残ったのは「アイデンティティを与えられている事への意識」についてです。
ロヒンギャは移動の自由も市民権も保証されておらず、ミャンマー政府からロヒンギャという名称を使わないように指示されるなど、アイデンティティを抹消されるような現状に置かれています。「スマートカード」と難民の間で呼ばれる身分証明書のようなカードが配布されるようになり、このカードこそが市民権や移動の自由獲得への道であると国連難民高等弁務官中日事務所のへベカー氏は述べていました。私たちは運転免許証やパスポート、住民票を持つ事を当たり前だと思っていませんか?身分証は自分の存在を国家に認められ、権利を与えられる事でありその大切さに気づかされました。

◆最後に
この講演会を通して他者の意識改革ほど難しいことはないと痛感しました。寄付やインフラ整備など物質的な解決も至難ですが、人の内面的な感情を動かすためにはある程度、その人にその意思がないと成功率はとても低いからです。ミャンマーやバングラデシュ政府もそうですが、人々のロヒンギャ差別に根付くものは深く重い問題です。次世代にもこのような差別意識が生まれないよう、国際的にも教育に力を入れるべきだと思いました。

そしてこれは日本に生きる私たちにも共通する事ですが、他者に対する偏見や差別は個人化した情報化社会において常に落とし穴となり得るものです。メディアの報道だけを信じてしまうとイスラムは危ない、難民はただのかわいそうな人々、と表層的なラベリングを行ってしまい、その背景にある事情や深層に目を向けない傾向に陥ってしまいます。現代社会に見られる「排除」の傾向を抑制し、より共生的な社会への道のりには個人の包摂への意識的な努力が必要不可欠であると感じた講演会でした。


シャプラニールの「ロヒンギャ難民支援」はこちらをご覧ください。

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