このところ雨が続いて部屋の中がじめじめしていたのが、昨日と今日続けてお日様が出ていたのでなんとなく嬉しい。ここぞとばかり、家の窓を全開にして空気の入れ替えをした。

曇りが続くと何が悲しいって、シャワーからお湯がでなくなるのが辛い。日本であれば簡単に手に入るお湯も、ネパールでは結構貴重なのである。湯沸かし器を備えている一般家庭は恐らくわずか。電気もしくはガスを使う湯沸し器はぜいたく品、少なくとも我が家にはない。しかし、冬は東京並みに気温が下がるカトマンズ、水風呂なんて寒くてとてもじゃないが入れない。

そんな環境で皆どうしているかというと、屋上にソーラー温水器を備えて太陽に温めてもらった水でシャワーを浴びるわけである。左側の写真は、我が家の屋上にある温水器の様子。しっかりと南を向いて座って、なんとも頼もしい。屋上からあたりを見回してみると、ご覧の通りほとんどすべての家庭に温水器が備え付けられている。このおかげで温かいお湯を使うことができるという仕組み。

自宅屋上のソーラー.jpgご近所ソーラー.jpg

村では温水器はおそらくほとんど存在しないばかりか、自宅に水道が引かれていることもまずないので、人々は日中、共同の水汲み場で体や髪を洗っている。料理には薪かワラ、米の籾殻などを使用していることが多い。先日訪問したカブレでは、牛の糞を使ったバイオガスの設備をいくつかの家でみかけたが、設置のためにはまとまったお金が必要となるため、一般に普及しているとは言いがたい。それよりも、牛糞とワラを混ぜて乾かしたものも日常的に使う方が多い。

そんなことからネパールのエネルギー事情にちょっとだけ興味がわいて、手元にあったネパール政府の統計資料で調べてみた。エネルギー分類からして面白く、大きく分けて「伝統的エネルギー」「商業エネルギー」となっている。伝統的エネルギーには薪6590TOE、農業廃棄物(Agricultural Residue)320、動物の排泄物(Animal Waste)487の3つがある。村で見かけたエネルギーそのものだ。一方、商業エネルギーはというと石炭172、石油関連769、電気139となっており、圧倒的に薪などの伝統的エネルギー源に頼っていることが分かる。ちなみに使われているTOEはTon of Oil Equivalent(石油換算トン)石油1トンに等しいエネルギー量のことを示すそうだ。

一人当たりのエネルギー消費量についても調べたくなって、TOEをKwhやらGJやらに計算し直したりしたが、高校時代物理の成績が2だった私には、まったく歯がたたない。そこで、神頼みならぬインターネット頼みで検索してみることにした。すると、IAEA国際原子力機関にそれらしいページが見つかった。そのデーターによると、2003年度実績で日本が51,478Kwh、(ネパールがなかったので)バングラデシュ1,228Kwh、ついでの比較でアメリカ99,622Kwh。この数字を見てなにか感じるであろうか。

さて、私は明るいうちにシャワーでも浴びてきますか。