チャイマレ・道中の田植え風景.jpg 昨日、ネパールに来てから初めて遠出をした。といっても、カトマンズから車で2時間程度の場所で、距離にしたら35Kmくらいしか離れていないチャイマレという場所だ。知り合いのネパール人に誘われて日帰りで行ってみた。

カトマンズから南西に向かって走ると、少しずつのどかな風景が開けてきた。少しずつ上り坂になり道の両脇には家などの建物が減って、すっかり山の中という感じ。初めのうちは道がきちんと舗装されていて揺れも気にならなかったが、45分ほどするとかなりのデコボコ道になってきた。雨と霧で視界も閉ざされてくる。いつも家から眺めていた山に来たのだと思うと嬉しかった。

2時間近くたって霧というか、ほとんど雲の中をゆっくりと移動する。道もただ山を切り崩して造った泥道になり、時々車がスリップするので緊張して車に乗っていた。視界は10メートルもないかもしれない。ぼんやりと影が見えたと思ったら道端につながれた水牛だった。水牛も突然現れた車に驚いて逃げ惑う。体当たりされたら崖から落ちてしまいそうな狭い道だったので、村人に水牛を押さえてもらいやっとのことで通りぬけた。

チャイマレ・村の様子.jpgそして村に到着。

視界が悪く様子がよく分からないが村の中心に来たらしい。地元の女性グループの集会があるのでその様子を見せてもらうのが目的だったが、まだ皆集まっていないので、早目のお昼ご飯を頂くことにした。ジャガイモとカリフラワーのカレー、ダール豆のスープにご飯という組み合わせは、素朴な味がしておいしかった。

食事が終わると雨がやんでいたので、少し村の中を歩いてみた。雲も晴れてきたので何枚か写真を撮っていると、10代くらいの女の子たち遠巻きに私を眺めている。近づくとキャっと言って、その分離れてしまう。写真を撮ってもいい?ときくと「だめー」とあっちを向いてしまうので、シャッターが切れない。バングラデシュの村だったら写真を撮ってもらいたくて人だかりができるところだが、この点ネパールの人たちはとても恥ずかしがりやで難しい。顔を隠したり、逃げてしまったり。結局彼女たちを撮るのはあきらめることにした。

チャイマレの女性集会.jpgさて、予定より2時間近く遅れて集会が始まった。私もなぜか主賓として前に座らされてしまい、他のゲストのスピーチを聞かなくてはいけない羽目になった。いったい何を話しているのだろうとあくびを噛みしめながら、一人30分のスピーチの間行儀良く座っているのは本当に辛かった。私も挨拶をしたが、今のネパール語の実力では3分話をするのがせいぜい。簡単な自己紹介をして集会の成功を祈る言葉を言っておしまい。

初めの挨拶だけで2時間経過し、その後休憩になる。再び糒(ほしい)とジャガイモのカレーの軽食を食べたら、なんとカトマンズに戻る時間になってしまった。もう少し女性たちの集会の様子を見たかったが、それではカトマンズに戻るのが遅くなってしまうので村の人に挨拶をして車に乗った。

カトマンズまでの道の途中、賑やかなピクニック帰りのバスを何台も追い越した。余韻が残っているのだろう、車中からは歌がまだ聞こえている。私も久しぶりの田舎の風景を楽しく思い出しながら、バスの乗客に手を振った。

2006年6月11日