s-IMG_0859.jpg先日いきなり車の通行が止まってしまったときのこと。いつもは車で通りすぎてしまう道を歩いていたら、ヘナ屋をみつけた。正確には「手にヘナデザインを描く屋」さんというところか。場所はカトマンズのバグバザール。

ヘナとはミソハギ科の低木植物、インドや中近東に自生しアーユルベーダでは皮膚炎などの手当てに使われていたもので、バングラデシュやネパールでも髪のトリートメントや白髪染めなどに使われている。また、女性が手や足に文様を描き、おしゃれのためにも使われているものである。結婚をする花嫁は両足と手(手首から肘の中ほどまで)に、それはそれは豪華なデザインを施す。

s-IMG_0860.jpgs-IMG_0861.jpg

さて、このヘナ屋はデザイン本を道一杯に広げており、その場で客の手に文様を描いていた。あまりにも模様が繊細で見事だったのでしばし見とれてしまった。実は私もデザイン本を持っているが、縁起の良い孔雀や昔花嫁を運ぶのに使った駕籠、新郎新婦の姿など凝ったものが多い。自分の手に描こうとしてみたこともあるが、市販のチューブからヘナを搾り出すのはかなりの力が必要で、途中でやめてしまった。

s-IMG_0865.jpgバングラデシュにいた時、合宿で女性スタッフと同室になったが、スタッフ同士がおしゃべりをしながら互いの手に模様を描いていたのが印象に残っている。おしゃれだけでなく、一種のスキンシップであり、コミュニケーションでもあるのだと思った。発色を良くするためには一晩置くのが良いとか、レモン水で保湿をするとかと聞いたことがあるが、一晩中ヘナを手に乗せておくと考えただけで眠れなくなりそうで早々に落としてしまった。

<手首にかわいい魚が泳いでいた>

ちなみにヘナの跡は赤くなるのだが、赤くなればなるほど結婚後の幸せが約束されるのだという。根気のない私には無理な話だ。