6月12日の児童労働反対世界デーの朝、私はカトマンズ王宮広場近くにいました。そこでネパールの労働局が主催の児童労働反対のプログラムがあったからです。

朝が早いネパールらしく、7時からラリー(デモ行進)をする予定で、集合場所のお寺に行くと、シャプラニールと児童労働削減の新しい活動を一緒に組み立てているCWINというネパールのNGOのスタッフと会えました。久しぶりの再会を喜んでいると「ラリーは前夜遅くにキャンセルになった」とのこと。ネパールでは直前で物事が変わるよね、と気を取り直して、次の会場であるカトマンズ王宮広場へ向かいました。

王宮広場には、ネパールで子どもの権利や児童労働削減に取り組む団体が多数集まっていました。10団体ほどでしょうか。それぞれが手作りのプラカードやバナー(ビニールシートに団体名やイベント名を印刷したもの)を掲げて、まずは写真タイム。それらをいち早くSNSにアップしようという想いは日本と一緒ですね。

そうしている間にも、各団体の学生ボランティアや活動に普段参加している女性グループメンバーが集まってきました。8時近くになると、その集まった団体の中心でメインプログラムのストリートドラマが始まりました。児童労働という見えない鎖につながれて厳しい労働環境で働く様子を描いたものでした。

旧い統計(Nepal Labor Force Survey 2008/2009)になってしまいますが、ネパールには児童労働に従事する子どもが約160万人いるといわれています。これは子ども(5-17歳)の人口約777万人の約20.6%に当たります。つまり約5人に一人の子どもが児童労働に従事しているのです。

ネパールの子どもは瞳がキラキラしているとよく言われます。
その瞳がいつまでもキラキラしていられるようにするにはどうしたらいいのか。
その方法を考え形にしていきたいと思います。

ネパール事務所長 勝井裕美

ネパールで児童労働削減に取り組む国際NGOのネットワーク会議 6月22日シャプラニール事務所にて

ネパールで児童労働削減に取り組む国際NGOのネットワーク会議 6月22日シャプラニール事務所にて