「南アジア女性を端切れで支援~NPO協力の小銭入れ大ヒット~」
今日(2010年6月19日)の産経新聞の地方版(東京版)、19面の記事です。
ITの進歩というのは実にありがたいもので、ここバングラにいながらにして新聞や雑誌の記事を毎日普通に読めてしまいます。しかも産経新聞は無料で。ビバiPhone。
さて、件の記事では当会のパートナー団体がネパールで生産している「端切れを使った小銭入れ」とバングラデシュで生産している「余り糸を使ったガムチャ」が紹介されていました。買い物によって途上国の人々を支援する「輪」の広がりを伝える内容です。小銭入れの背景が中心で、ガムチャに関しては販売数量が紹介されていました(ちなみに今年4月末時点で小銭入れは2,128個、ガムチャは3,421枚の販売実績)。
バングラ駐在員としてはガムチャの紹介が少ないのはちょっぴり悔しいので、ここで紹介しちゃおうと思います。
「ガムチャ」というのはバングラデシュの手ぬぐいのことで、町を走っているリキシャやCNG、市場などでも首や頭に巻いたりして使っているのをよく見かけます。例えばこんな感じ。
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手前のおっちゃんの頭に巻いてあるのがそうです。くたびれ具合からだいぶ長いこと使ってると拝察。
シャプラニールでは生産者の手元にある、その時々の余り糸を組み合わせ、上の写真のような伝統的なガムチャよりも一層カラフルに仕上げてもらった商品を販売しています。こんな感じです。
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ちょうど先日東京からクラフト担当者が出張に来ていて、ブログにも書いたように一緒にガムチャの生産団体も回ったんですが、その全ての工程を見て感動!ガムチャを生産している人たちはまさに「職人」でした。
このガムチャ、色がきれいなのはもちろんなんですが、なんといっても糸を染色するところから一枚の布に仕上げるまで全工程「手作業」のハンドメイドであることが魅力(染色時は道具として機械を使いますが)。染色した糸をボビンに巻きつける作業、小さなボビンから巨大なローラーに糸をより合わせていく作業、寄り合わせた糸を機織り機にセッティングする作業、機を織る作業、全て人の「手」が行ったものです。
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機械織りでは絶対に出せない風合い。その背景にある伝統の技術。それを継承する人たち。そういうものをひっくるめた「物語」のようなものがハンドメイドの製品にはあって、私は大好きです。その上「フェアトレード」の名の通り、製品を購入することによって現地の人たちの生活を支えるお手伝いができるという、大きな大きなおまけつきです。
出身地でなかなか仕事がなくて、縫製関連産業が集積する土地に移住してきた生産者の家族。日本に暮らす我々には簡単に理解しがたい苦労もあったはずですが、そうした人たちが伝統の機織の技術を活かしてこれほど美しい商品を作り、生活を営んでいる。生産工程を見学したことでガムチャの背景にあるいろんな「物語」が見えてきて、私のテンションは上がりっぱなしでした。興奮のあまり、その場で無理を言って出荷前の製品を購入(3枚目の写真がそれです)。
ひとつひとつの製品が持つ「物語」を感じながら使えるというのは本当に贅沢なことだな、と思います。もともとの用途は手ぬぐいですが、単なる手ぬぐいとして使うのはあまりに勿体なくて使いあぐねてます(笑)。自分の部屋だったらテーブルクロスとかに使うんだけどなぁ。他にはマフラーやショールのような使い方もできます。使い方は自由自在。
皆さんも良かったら是非使ってみて下さい。そしてこの「贅沢」を味わって頂けたらと思います。
(興味がおありの方は楽天のショップをご覧下さい。当会のWebサイトからカタログ請求も可能です。)