選挙で圧勝したアワミ連盟総裁のシェイク・ハシナが1月6日に首相として宣誓し(→新聞記事)、新閣僚メンバーも発表されました(→新聞記事)。ハシナの今回の閣僚の人選は、前もって本人が予告していた通りかなり大胆で、長老たちを排し、多くは初めて閣僚になる、という面々。中でも、外務大臣と内務大臣という重要ポストにそれぞれ閣僚経験のない女性を据えたことは目を引きます。新聞の論調などを見ても、とくに「汚職にまみれていない清潔な人たち」という点ではかなり高得点の人選のよう。(注:この点、Daily Starには「1人を除いて」と書かれてましたが、それが誰かは書いてませんでした。ちなみに私は2年ほど前に飛行機でそれらしき方の隣に座ったことがあります→過去ブログご参照(笑))。ただし、閣僚としての経験は少ない人が多いので、今後どれだけ政治的手腕を揮えるか、というところは未知数ですと。ベンガル語で言うなら、「デキ、キーホベ(見ましょ、どうなるか)」といった感じですね。「汚職のない政府」「ジェンダー・センシティブな政府」ということを内閣の顔ぶれでアピールするのにはまず成功したけれど、これはかなり思い切った賭けであるようです。

昨日1月10日は、独立戦争時にパキスタンに囚われていたハシナの父、シェイク・ムジブル・ラーマンが解放され、独立を果たしたバングラデシュに帰還した日(1972年)。この日、シェイク・ハシナは父の故郷のゴパルゴンジ県トゥンギパラでシェイク・ムジブの墓に詣で、彼女が率いる政府は「我々に投票してくれた人も、そうでない人も分け隔てなく、全ての人に平等な開発を目指す」と延べました。

そんなの普通なら当たり前のことなんですが、今までそうじゃなかったんですよね。例えばこのトゥンギパラなどはBNP政権のときは徹底的に行政から無視され、新しい道路はその間一本もできなかったというし、アワミ連盟だって前に政権についていたときは似たようなものでした。全国各地の橋も道路も、ライバル政党の政権のときに計画されたものは政権が替わったら工事は中止になってほったらかし、というケースがざら。この悪習は本当に改善してほしいものです。

アワミ連盟は選挙前にバングラデシュ独立50年となる2021年までに達成することを目標とした「Vision 2021」というマニフェストを発表しており、その中で5つの優先事項(1.物価高騰への対応、2.汚職対策、3.電気とエネルギー対策、4.貧困と不平等の撲滅、5.よい統治(Good Governance)の実現)を含む23項目に取り組むことを公約としています。その中には農業施策やインフラ整備などに加え、「児童労働を全てのセクターから次第に無くしていく」とか、「1997年に結ばれたチッタゴン丘陵地帯(CHT)和平協定を完全実施する」といった内容も。

このマニフェスト、今後の政府への働きかけや政府との協働について考えていくため、私たちバングラデシュに関わるNGO関係者もよく読んで今後の動きをウォッチしていく必要がありますね。

2021年というとずいぶん先なようですが、数えてみればあと12年先。建国50年か…。シャプラニールも2022年には活動開始から50年になるんだなあ。うへ~あと13年でゴールデン・ジュビリーか…。そのとき私はいくつになってるんだろ?相当いい年だよな(ってすぐだろうけど)。

シャプラニールも現行の中期方針(2007-2011)の次は10年単位の「ビジョン2022」が必要かも?(なーんて今3年先までの計画作るんでも四苦八苦してるのに、余計なこと言っちゃいかん。自分の首が絞まる(汗)。5年ずつやろー5年ずつ(笑)。)

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新年牛シリーズ第2弾。ポイラで先週出会ったちょっとオマヌケ顔の牛ちゃん。