今年のバングラデシュ、今日はヒンドゥ教のドゥルガプジャ(10日続くプジャの最終日)と、16日からのイスラム教の犠牲祭がほぼ同じ時期に重なり、それこそ盆と正月が一緒にきたような騒ぎだ。

スーパーや市場もお祭り仕様となって、いつもとちょっと違う。例えば、牛乳。いつもは500ccと1Lの二種類のパッケージがあるのに、今売られているのは1L だけ。店員曰く、1週間ほどまえから500ccの製造は中止しているのだとか。牛乳を使ったおやつが並ぶバングラデシュならではのエピソードであろう。

さてそんなお祭りムードの中、先日クムディニのドゥルガプジャの式典に出席した。


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<女神ドゥルガの像 最後は川に流される>

クムディニはご存知の通り、シャプラニールが取引するクラフトリンクの生産団体の一つである。正式にはクムディニ福祉財団(Kumidini Welfare Trust)といい、1947年にタンガイル県で設立された。地域の貧しい人々に医療と教育の機会を提供、そして早い時期から女子教育にも取り組んでいる。1980年には、ジュート生産が盛んなナラヤンガンジでクラフト生産を開始、現在に至る。

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<生徒たちが生活する寄宿舎>

ダッカの北に位置するタンガイル県のミルジャプールには総合病院、看護学校の他、1,000人以上が学ぶ寄宿制の女学校がある。貧しい人はほぼ無料で医療を受けることができる。クムディニのこれらの福祉的活動は自己財源によって運営されている。

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<この風情のある渡し舟を使って向こう岸へ渡る>

財団が運営する病院、学校、学生寮のある敷地の、川を隔てた向かいに創設者が住んでいた家が復元されて残っており、その家の正面にある寺院が会場であった。

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 <写真は女神ドゥルガが魔族の王マヒシャースラを倒したところ> 

美しく着飾った女性たちの歌の後、女子学校の生徒たちによる踊りが披露され、最後にブラーマン(僧侶)によるプジャが執り行われた。

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<参列者は女子学生が手にした灯明にかざした手を、自らの頭や胸にあててご利益を願う>

この国では信仰が人々の生活の中にある。バングラデシュの人や生活を私が美しいと感じる理由はそこにあるのかもしれないと改めて感じた。