3月8日は、1975年に国連で定められた国際女性デーです。
1857年にニューヨークの被服工場の火災で多くの女性たちが亡くなったことを受け、3月8日に女性たちが低賃金・長時間労働に抗議を行ったことが「国際女性デー」の起源であると言われています。3月8日は「女性たちが平等と尊厳を得られることを自覚する日」、「女性の生き方を考える日」として世界的に定着しつつあります。

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シャプラニールのクラフトリンク活動は、1974年にバングラデシュで洪水の被害にあった農村で、目の前の大変な状況にある女性たちを助けたいという思いから始まっています。

女性が家にいることが当然とされてきた社会の中で、女性が手工芸品の材料を取りに出かけたり、外で作り方を学んだりすることは、どれだけの大冒険だったでしょう。女性が自分の力で収入を得られるようにシャプラニールが後押しをしていることで、それをよく思わなかった男性優位の村社会のバランスが崩れ、シャプラニールの職員が村人から襲撃される大事件が起こったこともあります。

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クラフトリンクの活動は、昨年リニューアルしそのテーマを「Who is SHE?」としています。オリジナル石けんシリーズShe with Shaplaneer から言葉を選びました。石けんつくりをする前は、セックスワーカーとして働かざるを得なかった境遇の女性たちが、ブランド名の「She」が自分たちだと誇りをもって商品を作っています。そのような生産者や商品の背景についてより伝えていきたいという想いです。彼女たちとはいったい誰なのか、どういう背景を持った人たちなのか、もしかしたらSheって、、、?と、考えるきっかけになればいいなと思っています。
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先日、「クラフトリンクCAFE」と称した講座シャプラバの中で、「公正な貿易」にとどまらないフェアトレード活動について、作り手をいかにエンパワーしてきたか、これからもより一層人と人とのつながりを作っていきたい、といったことについてもお話しました。沢山いただいた参加者からの感想の中には、「作り手のバックグラウンドを憐れんで買ってあげるという思いを持って購入するべきものではないと思います。今日は少しボランティア的なイメージを持ちました。私は対等な関係のビジネス、需要と供給がマッチするようなビジネスをどうしたら持続していけるかということを勉強したいです。」といった学生さんからのコメントもありました。

シャプラニールは、日本で一番早くフェアトレードに取り組んだ団体ともいわれていますが、公正な貿易という言葉と共にクラフトリンクの活動を始めたわけではありません。「援助する側、される側」という概念を排しながら、クラフトリンクの活動がこれまでどのように、女性をはじめとする多くの生産者に生きる手段や可能性を見つけてもらい笑顔を生んできたのか。尊厳や自信を取り戻してきた生産者のストーリーは商品の大きな付加価値、魅力を増すものだと考えています。「フェアトレード」の言葉が日本で広く市民権を得るにつれ、理念や目的の捉え方も広義になっていると感じます。その中でシャプラニールだからこそやっていくべきフェアトレードの活動を、様々な立場からフェアトレードに関わる方たちと連携しながら継続していきたいと思っています。
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クラフトリンク活動とジェンダー、そしてSDGsの「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」について、過去インターンが書いてくれたこちらの記事もとても読み応えあります!ぜひお読みください。

ダウンロード (1)また、クラフトリンクの歴史がわかるブックレット、現在春のフェアでお求めやすくなっています。
https://craftlink.shop/

 

***ブックレットの「おわりに」から***(筆者:中森あゆみ)

「人生で一番大切なものってなんですか?」
「お金!これ以上大切なものは無いわよ」

通いなれた村のセンターである日私が聞くと、
生産者の女性たちが大真面目な顔で、声を揃えて答えました。
人生で一番大切なもの、みなさんならどのように答えますか。

少し考えて、気づきました。収入を得るまでの彼女たちの存在が、いかに追いやられたものであったのか。そして収入を得た今、彼女たちは初めて「人に声を聞かれる」経験をしたのだと。

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(クラフトリンク担当: 小川晶子)