代表メッセージ

シャプラニールへの日頃からのご支援、心から感謝申し上げます。

2016年7月に、シャプラニールも事務所を置いているバングラデシュの首都ダッカにて、外国人を標的としたテロ事件が発生し、「バングラデシュの発展に貢献したい」という思いをもってODAプロジェクトに携わっていた日本人を含め、多くの人命が失われました。この事件は、我々だけではなく、多くの日本人、そしてバングラデシュの人達に衝撃を与えました。

この痛ましい事件は連日マスコミでも取り上げられましたが、その多くは事件の背後関係にかかわるものでした。同国にて45年以上活動を続けてきたシャプラニールとしては、我々が知る等身大のバングラデシュを多くの人に知って欲しい、不安から生じるネガティブな印象を少しでも払拭したいという思いから、地域連絡会や多くの方々の協力のもと、イスラム教について学ぶイベントの開催やリレーエッセイなどに取り組みました。これからも、バングラデシュと日本の市民社会をつなぐ架け橋として力を尽くしていきたいと思います。そして、安全確保を最優先としつつ、現地での活動を続けていきます。

ネパールでは、2年前に発生した大地震からの復興が続いています。シャプラニールでは、被災した人々が早期に安心した暮らしを取り戻せるよう、女性向け心理ケアプログラムの実施、ラジオ局に併設したコミュニティスペースの運営、貧困層の収入向上支援などを行ってきました。また、次に起こり得る災害に向けて、地域住民による防災プロジェクトも開始しました。
一方で、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)も2年目に入りました。17の目標の中には、シャプラニールがこれまで取り組んできた「貧困」「児童労働」「防災」「雇用創出」などの課題も取り込まれており、SDGsのキャッチフレーズ「Leave no one behind(誰も取り残さない)」は、シャプラニールが掲げてきた「取り残された人々への取り組み」に通じるものです。シャプラニールとしては、新たに作成した「中期ビジョン(2016-2020)」を着実に実行していくことで、SDGsの達成にも貢献していきます。

「中期ビジョン(2016-2020)」では、(1)子どもの権利を守る(2)災害に強い地域をつくる(3)フェアトレードを通じて「共生」できる社会をつくるといった3分野を重点項目として定めています。これらの分野において、単にこれまでの活動の延長ではなく、「日本と海外との学び合い」、「社会を変えるための働きかけ(アドボカシー)」、そして「より多くの市民の巻き込み」を意識的に行っていきます。

シャプラニールは、バングラデシュ独立の翌年、1972年9月にヘルプ・バングラデシュ・コミティ(HBC)として誕生し、2017年9月に45周年を迎えます。「海外協力」という言葉も一般的ではない時代に、独立直後の混乱したバングラデシュに渡った先輩方の勇気により我々の活動は始まりました。そして、これまでに多くの人達が、職員、支援者として活動に参加し、今でも多くの方々に支えられています。これらすべての方々に対し、会を代表して心より感謝申し上げます。

2017年6月  代表理事 岩城 幸男