驚くことに、バングラデシュでは1月1日の元旦生まれが多いのをご存じですか?
日本で元旦生まれと聞くと、ほとんどの人が「おめでたい」と感じるのではないでしょうか。
今回はその「元旦生まれの多さ」の謎を解いていきます。
私自身の戸籍を見ると、6月9日に出生届が行政へ提出されているのがわかります。
同様に、日本人の誰もが、戸籍謄本上に届出日が記載されています。
一方バングラデシュでは、この出生届を行政へ提出することが、一般的になったのが実は最近のことだということが発覚しました。
バングラデシュで取り組む活動の中で、どこで・いつ生まれたかを知らない人によく遭遇します。例えば、住み込みで働く家事使用人の少女は、その大半が離れた地域から働きに出てきていますが、何歳かわからないことが多く、見た目や保護者・雇用者からの聞き取りで推測することが多いです。
この状況から、改めて調べてみたところ、バングラデシュでは2004年に出生届及び死亡届について法が整備され、出生・死亡後45日以内に届け出ることが義務付けされました。
しかし・・・このシステムが市民によって利用され始めたのは、なんと法制定から12年後の2016年でした。
日付がわからないから、誕生日に元旦が選ばれ、登録された人が多いという背景が見えてきました。
生まれについて知らない人が多いのも納得です。
そして驚くことに、届け出手数料が地域によって異なることが多いのです。
特に村では、文字を読み書きできない人も多く、代わりに行政官が対応することを理由に高額な手数料を請求してくるケースも多いという実情があります。

現在、5歳未満の子どもで出生登録をしている割合は、56% (UNICEF 2022)に留まっています。
納得の数字です。
2050年には2億人を超すと言われている過剰な人口増加の傍らで、出生届さえもままならない人々がどれだけいるのでしょうか・・・
「統計」の根拠として扱われる「人口」がどこまで正確なのでしょうか・・・
バングラデシュ事務所長 柳下優美
