在住外国人に関わる取り組みとして、2021年度より実施している無料食料配布「フードパントリー」・生活相談会。ワーカーズコープ東京事業本部、反貧困ネットワークと協働し、2022年度も4回開催することができました。

フードパントリーにて食材を渡している様子

最近では、新宿区内における外国人の方が多く住むエリアでのチラシのポスティング、また近隣のエスニック料理店での声掛けにより、地域に住む・働く外国人の方の参加も増えてきています。

直接情報を届けられるよる外国人の方が多く住むエリアにてチラシをポスティング

また、自分の抱えている困りごとを相談事として話し出しずらいという方のために、会場内に相談コーナー以外に休憩スペースを新たに設置し、そちらでのおしゃべりの中から困りごとを聞き出すなど、相談しやすい環境をつくる工夫もしています。

休憩スペースで利用者の方とのおしゃべりの中で困りごとを聞き出しています

利用者の方からは、在留ビザや仕事について等、さまざまな相談事が寄せられていますが、中にはほんの少しの周囲の助けがあれば解決できる課題もあるということがわかってきました。

例えば、小さなお子さんを育てるススマさん(ネパール人、仮名)からは、「土日や祝日も診てくれる子どもの病院がわからない」といった困りごとの声がありました。調べたところ、行政の提供している英語サイトに、彼女の家のすぐ近くの土日祝日に開いている小児科病院の情報があり、「知らなかった。こんな近くにあったのね!」と彼女自身驚いていました。

もしも彼女が地域の必要な情報へのアクセス方法を知っていたら、近所に相談できる人がいたら、この課題はすぐに解決されていたでしょう。しかしながら、彼女を含め、「行政などから提供されている支援や情報へのアクセス先を知らない」、「大小かかわらず課題や問題に直面した時に相談できる先が限られている」、「日本人や居住地域の住民とのつながりがほとんどない」という在住外国人の人がまだまだ多くいます。

一方で、地域住民の方からは「近所の外国人と関わりたくとも、関り方がわからない」という声も聞かれます。そのため、外国人とともにご近所レベルでの扶け合いができるような仕組みづくりが必要だと考え、次年度はその拠点となるような居場所づくりに取り組みます。シャプラニールの新たなチャレンジへの応援をよろしくお願いいたします。


海外活動グループ 菅野