ネパールに出張中の横田です。 

マクワンプール郡マナハリ村で実施中の児童労働削減事業は、2024年5月末に終了予定です。終了に向け事業の成果や目標に対する達成度、残された課題を明らかにするため、東京事務所から出張して終了時評価を実施しています。 

マナハリ村行政関係者や、コミュニティの人たち、パートナー団体であるCWINのスタッフなどとこの3年間の事業について話をしました。また、個別支援を行った児童労働に陥る可能性の高い子どもたち/働く子どもたちとその家族にも、ご家庭を訪問し、生活状況の変化を伺いました。 

2人の息子さんが学校に通えるようになったと語るラクシュミーさん(右、仮名)と話を聞くスリジャナ職員(左) 

個別支援によって人びとの生活・将来のビジョンに変化が

生計向上のための支援を行ったご家庭では、農業に必要な肥料などを提供し、これまでよりも収穫量が増えたことで、収入も増えて生活が安定しているというお話を聞きました。子どもを学校に継続して通わせることができるようになり、息子さんは今後できれば農学部に進学したいと考えているそうです。

また、スキルトレーニングを受けた少女からは、単に技術を身に着けただけではなく、自分に自信を持てるようになったという言葉を聞くことができました。「美容院に就職して、いつか自分のお店を持ちたい」という夢も語ってくれました。 

支援対象のご家庭へのインタビューの様子(左一番手前:事務局長小松)
生活の変化についてお話ししてくれたマニタさん(左、仮名)

行政・コミュニティが子どものための取り組みの重要性を認識するように

事業終了後も厳しい状況にあるご家庭を支えていくためには、コミュニティ全体で児童労働をさせないという意識を醸成しコミュニティの人たち自身が取り組んでいくことが必要です。

事業を通じて子どもの権利を知り、児童労働や児童婚といった子どもを取り巻く問題について理解が深まることで課題意識を持つようになったと、行政関係者からもコミュニティの人たちからも多くの発言があり、この事業の一つの大きな成果であると言えます。 

また、マナハリ村で策定した児童保護政策に沿って今後も子どものための取り組みに予算を付けて取り組んでいくことも確認されました。 

マナハリ村役場にて(前列左から小松事務局長、マナハリ村村長、中央列中央は竹下ネパール事務所長)

事業は残り半年を切りましたが、これまでの成果や残された課題を分析し、子どもの権利を守る活動をコミュニティに根付かせていくため、引き続き取り組んでまいります。 

事業推進グループ/ネパール事業担当 横田 好美