私たちは、ネパール マクワンプール郡にて児童労働削減事業を実施しています。

2022年11月のブログでご紹介しましたように、2022年8月と10月に計約60名の子どもたちを招いて、児童労働問題と子どもの権利、教育を受ける権利について、子どもたちそれぞれがマンガを作ることによって意識の向上を促すことを目的としたワークショップを行いました。

この度、子どもたちが描いたマンガが製本され、一冊の本となりました。本にはワークショップを受けた子どもたちの中から、29名の児童労働を経験した子どもたちのマンガを掲載。「周りの子供たちが学校に行っているのに、私だけが畑で働かされて、学校に行きたくってたまらなかった。。」「ホテルで閉じ込められるみたいに働かされて、こんなに辛かった、ひもじかった。。」といったことが、鮮明に描かれていて、その表情や背景の描き方、構図、色使いからも心情が表されています。

製本された本の表紙 (10月のワークショップで男の子が描いている様子)

また、マンガの中では、子どもたちから大人たちへの訴え「児童労働から助け出してほしかった。。「学校に行かせてほしかった。。」「無視しないでほしかった。。」といった声もリアルに表されています。

今回ワークショップを行った約60名のみでなく、過酷な状況下にいる多くの子どもたちが同じような思いを抱いて必死に生きているのだと思うと、児童労働の深刻さ、そして早急に解決しなければならないことを改めて強く感じます。

私たちは、この子どもたちの思いを最大限に尊重できるように、製本された本を一般公開し、展示会の開催や、公共機関や自治会への配布、SNSを活用した広報を通して、社会の人々の児童労働問題に対する理解と解決に向けた協力の強化につとめていきます。

ネパール事務所長 竹下裕司