洪水から見えたプロジェクトの成果と今後の課題

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チトワン郡は、3年に1度は大洪水や地滑りの被害があります。このチトワン郡で、2011年7月から、村人たちの水害管理能力の育成を目指すプロジェクトを実施しています。2014年7月、事業開始後初めて、事業対象村で洪水が発生。これまでの成果を測る機会となりました。

その日、マグイ川上流では早朝から小雨が降っていました。誰も洪水を予想していませんでしたが、朝8時ごろに鉄砲水が発生。バガウダ村(対象村)に水が押し寄せ、水深は1.5mになりました。当時、ほとんどの村人は田に出ており、村には老人と子ども、若干の女性や若者だけが残っていました。しかし、洪水の異音に気付いた村人が、すぐに老人や幼い子どもを避難させました。そのすぐ後に、他の住民や警察、RRNスタッフや近隣の住民が、村の住民組織の通報を受けて村に到着し、被災者を救出。プロジェクトの避難訓練の成果です。

この洪水で200世帯と10ヘクタールの農地が被災。田は砂と石に埋まり、家の1階にあった食器や食料、家畜等が流されました。しかし、重要書類は家屋の上層階に保管され、水難を避けられました。

洪水の後、村人はプロジェクトの支援で、高さ5m、幅50-60mの簡易堤防を氾濫地点周辺に建築。土砂と石に埋まった田んぼも40%はきれいになり、稲が再度植えられました。

洪水発生から1ヶ月以内に、バガウダ村では新しい区の開発委員会と、その運営委員会が結成されました。5つの分科委員会(災害管理、河川保護と維持、灌漑、財政、懲罰)も結成され、効率的に動けるようにしました。こうした動きは、プロジェクトを通じて村人の意識が高まった結果です。
今後の改善点も明確になりました。一つは、上流から下流に洪水情報を伝える早期警告システムの開発。もう一つは、災害予測地図の改訂の必要性です。また、今回の洪水は、上流の村で建設された堤防が原因という村人の声も強く、1本の川をめぐっての村同士の対立感情が露わになりました。この点も今後の課題のひとつと言えるでしょう。

ラリット・タパ(カトマンズ事務所 プログラム・オフィサー)

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