ネパール・コシ州ウルラバリ市で推進している洪水防災事業では、2年次に予定していたインフラ工事のすべてが完了しましたので、その様子をお届けします。
ネパールの雨期(6月~9月)は、川の増水によって洪水が発生しやすいた毎年注意が必要です。事業地であるコシ州ウルラバリ市はほとんどの集落が川に囲まれていることもあり、洪水の危険性が高く毎年被害が報告されています。
2年次インフラ工事は、主に2つの河川が交わう合流点から下流域にて土堤造成、付帯護岸工事、排水設備の設置、灌漑設備の補強を行いました。
昨年9月の大洪水、インフラ設置の効果で被害は最小限に
昨年2024年9月に発生した大洪水ではこれまでのインフラ設置の効果と住民の防災意識の向上により、事業地流域の被害を最小限に抑えることができました。インフラ設備は設置して終わりではなく、日頃のメンテナンス作業が必要です。被害を抑えられたのは住民の防災への意識と日々の努力が実った結果でした。



ー付帯護岸工事ー
河川の氾濫を防ぐために蛇籠(鉄線で編んだ籠に石材を詰め、河川工事や土留めに使用される土木資材のこと)を使うことによって水勢を変えて力を分散させたり、河川を補強したりします。



ー灌漑設備ー
田んぼに引く水路がダメージを受け、適切に水を供給できなくなっている灌漑施設の補強をしました。



以上、2年次インフラ設置状況をお伝えしました。この事業は3年度事業のため、あと1年で事業地のあるウルラバリ市にインフラ設備やこれまでに蓄積された経験やデータをハンドオーバーしていく予定です。シャプラニールでは、スムーズに地方自治へ引き継ぎが行われるようサポートしていくだけではなく、3年次でも別の川でのインフラ設置を進めていく予定です。
事業推進グループ 日比