広域流域管理による洪水リスク軽減事業が 新たな地域でスタートしました

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洪水対策が不十分な川の近くの集落で、これまで住民が自主的に行ってきた活動を支援する形で洪水の被害を軽減する活動を行っていきます。住民と一緒に集落ごとの防災活動計画を立て、行政等からの支援とつなげて堤防を設置するなど行政との連携を強化し、住民自身と地域の防災力を伸ばします。

>>実施事業 『住民主体の洪水リスク削減に向けた取り組み

チトワン郡マディ市のラクタニ川流域(全長約7km)で2020年2月から洪水防災活動が始まりました。この活動の特徴は会報「南の風」vol.286で報告したバンダルムレ川流域での洪水防災事業と同様広域流域管理、英語だと「One River One Community」とう考え方です。1つの河川の上から下までの洪水発生の仕組みを理解し、その対策も上から下まで総合的な計画の基にその河川流域の住民が全員参加で行うというものです。同市でこれまで実施してき洪水防災事業の成果を目にしたマディ市人々はこの事業の開始を待ち望んでいました。 

コミュニティ災害管理委員会の結成で話し合いが進められています
2月に活動を始めたばかりですが、
毎年のように洪水が起きるラクタニ川の両岸の12の集落で全住民(720世帯3,670人)から選ばれたメンバーから成るコミュニティ災害管理委員会がすでに結成されていますマディ市も活動に協力的で、住民、森林利用者組合、国立公園事務所などの関係者と私たち橋渡しをしてくれています。コミュニティ災害管理委員会ではすでに防災の考え方、どのような取組みが必要かと言った議論を始めています。また、ラクタニ川下流域では川幅の拡幅と土堤設置が始まっています。 

ラクタニ川の洪水の歴史をひもときながら、洪水防災について考えていく(ラダプルバン集落のコミュニティ災害管理委員会)

ラクタニ川の洪水の歴史をひもときながら、洪水防災について考えていく(ラダプルバン集落のコミュニティ災害管理委員会)※3月初旬撮影

意思決定には自分たちが関わり、洪水リスクを減らす
まだ始まったばかりの活動ですが、住民
たちは洪水リスクを減らすためには自分たちも関わり、貢献する必要性を理解しているようです。例えば、下流では川の幅を40mに広げるため、その両岸の全住民が土地の提供に同意してくれました。前の事業ではこのような同意取り付けるのに半年以上の時間がかかったのですが、事業の結果、洪水の発生を防ぐことができるようになったという具体的な変化を住民は目にしていたため、短期間でその必要性を理解してくれたのだと思います。 

また、住民はインフラ設置だけではなく、自分たち、また行政の防災能力を高めたいと言います。そうすることで自分たちの命と財産を守れることを知っているからです。目に見えるインフラだけでなく、住民自ら洪水への備え、洪水時の行動を知っておくことが大切だということも、住民が前事業の経過と成果を見てきたので、自然と理解しているのだと思います。

キル・ガレ
ネパール事務所 シニアプログラムオフィサー

この情報は会報288号に掲載しています。


キル職員は2019年に来日し、「全国キャラバン2019〜住民と行政による洪水に強いコミュニティづくり」を実施しました。ネパールで行っている事業は、単なる洪水対策ではなく、河川周辺に住む人々の命を守る事業です。日本を含め世界中で自然災害が頻発し、多くの尊い命が失われている昨今、自然災害によるリスクを最大限減らし、命を守るための防災活動は必要不可欠です。
各講演会のレポート報告はこちらよりご覧ください.。

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