本イベントは終了いたしました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

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みなさん、「沖縄平和賞」をご存じですか? 

太平洋戦争で住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が繰り広げられ多くの尊い生命が失われ、長きにわたって米軍施政下にあり、今も広大な米軍基地が存在する沖縄県。このような歴史的体験をしてきた沖縄から、命の尊さと平和の大切さを世界に発信するとともに国際平和の創造に貢献することを目的とし2001年に創設されたのが「沖縄平和賞」です。これまでに発展途上国や紛争地域で貧困削減や医療活動などに取り組む10団体が顕彰されました。 

国境を越えて 

沖縄平和賞を受賞した各団体が活動する地域では、今も貧困や紛争などさまざまな課題が解決されずにいます。そして、多くの国や地域で平和と民主主義が危機にさらされ、そこに暮らす人々の生命と人権が脅かされています。これらは私たちが暮らす日本とは別世界のできごとではなく、日本国内の問題とも無関係ではありません。私たちが直面している様々な社会課題は、国境の枠を越えて考えなければならなくなっています。 

こうした世界の状況と課題を理解し、平和と民主主義の大切さについて改めて考える機会として、沖縄平和賞の受賞をきっかけとしてつながったNGOと沖縄の人々で、このウェビナーを企画しました。多くのみなさんの参加をお待ちしています。 

■内容

沖縄と世界からの報告

玉那覇 清美(たまなは きよみ)氏

NPO法人うらおそい歴史ガイド友の会 事務局長

折居 徳正(おりい のりまさ)氏/ザカリッヤ氏(沖縄在住シリア人)

パスウェイズ・ジャパン

大城 洋作(おおしろ ようさく)氏

NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)ミャンマー・ヤンゴン事務所駐在員

Sabirullah Memlawal(サビルラ・メムラワル)氏

アフガニスタン現地NGO ・Your Voice Organization(YVO)代表

山本 裕子(やまもと ゆうこ)氏

NPO法人シェア=国際保健協力市民の会 在日外国人支援事業担当

質疑応答・意見交換

参加者からの質問への回答

コメンテーターからの意見・感想

■開催日時:2021年10月26日(火)19:00-21:00

■参加費:無料

■定員:150名

■zoomを利用したウェビナーです。申し込みをされた方へ後日リンクをお送りします。

■申し込み方法申込フォームにてお申し込みください。  お申込み受付けは終了しました。

■主催:Peace & Democracy Forum実行委員会

おきなわ有志の会、沖縄平和賞受賞団体有志(NPO法人難民を助ける会、NPO法人シェア=国際保健協力市民の会 NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会、NPO法人ジャパンハート、NPO法人難民支援協会、NPO法人日本国際ボランティアセンター、NPO法人国際協力NGOセンター)

■後援:沖縄県 沖縄平和賞委員会

■問い合わせ

特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会 担当:小松(こまつ)

E-mail event@shaplaneer.org TEL 03-3202-7863 FAX 03-3202-4593


登壇者紹介

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玉那覇 清美(たまなは きよみ)氏

特定非営利活動法人うらおそい歴史ガイド友の会 事務局長

プロフィール:2007年より会の活動に参加。翌2008年より事務局員として活動し、2012年から事務局長を担う。事務局業務全般を担いながら、ガイドの現場にも立つ。会の活動に加え、浦添市民生員・児童委員や浦添市健康ウォーキング協会理事等の役割を担う。(写真:右端)

報告内容の要旨:浦添グスクを中心とした、市内の史跡や文化財の案内に関する事業を行い、人々が歴史と文化に興味を持ち、広く親しむことで、浦添市における文化の発展に寄与することを目的とし活動しています。同時に、沖縄戦での激戦地である前田高地を案内し、浦添市民にとどまらず、沖縄県民、修学旅行生を含む観光客、とりわけ子どもたちを対象に戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えています。会の活動報告に加え、約15年の活動の中で感じている子どもたちの変化、「命の大切さ」を伝えます。

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折居 徳正 (おりい のりまさ)氏

パスウェイズ・ジャパン

プロフィール:2002年よりNGO職員として人道支援に従事。2016年よりNPO法人難民支援協会にて難民受け入れ事業マネージャーを務め、シリアの若者を沖縄を含む各地の大学・日本語学校に留学生として受け入れ。2021年7月、難民支援協会より同事業の譲渡を受けてパスウェイズ・ジャパンの設立に携わり、代表理事に就任。

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ザカリッヤ氏

沖縄在住シリア人

プロフィール:祖国での紛争勃発後トルコに逃れ、難民支援協会の受け入れプログラムによって2018年に来日。那覇市内の日本語学校で2年間学んだ後、県内で就職。2020年より沖縄の戦跡を訪問して若者達との相互の学びの機会を持っている他、県内の大学、高校等での講演も行い、シリアの実情を県民に伝える活動に取り組んでいる。

報告内容の要旨:シリアという国と2011年からの内戦、そして600万人に及ぶ難民となった人々の課題について報告します。そして課題解決のため、市民社会主導で難民を受け入れる取り組みが進んでいること、その実例として県内在住シリア人のザカリッヤさんよりその経験を話してもらいます。

ザカリッヤさんからは、沖縄に来てからの生活と感じたこと、また沖縄戦について学び、祖国の紛争と重ね合わせて何を感じたか等を話してもらう予定です。日本で唯一の地上戦の経験と戦後社会を、現代の紛争経験者の視点から振り返り、共に考える機会を提供できればと思います。

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大城 洋作(おおしろ ようさく)氏

NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)ミャンマー・ヤンゴン事務所駐在員(一時帰国中)

プロフィール:1年間の世界一周を経て2014年にAAR Japan入職。入職後一貫して東南アジアでの障がい者支援事業に携わっており、2015年~2018年にかけてラオス・ビエンチャン事務所駐在、2018年から2020年3月にかけてミャンマー・ヤンゴン事務所駐在。現在は新型コロナの影響で日本に一時帰国中で、沖縄から遠隔でヤンゴンの障がい者支援事業を管理しています。

報告内容の要旨:ミャンマーは2020年3月に新型コロナの初感染が報告されて以降、政府の蔓延防止対策の一環で、今も移動や集会制限が敷かれています。長引く制限は国民の経済活動に影を落としていますが、それに追い打ちをかけるかのように2021年2月に軍事クーデターが発生しました。民主化を取り戻そうとする国民に対し、国軍は武力による制圧を続けています。情勢は悪化の一途を辿っており、今も地方を中心に武力による衝突が頻発しています。経済と治安の悪化で、普段から脆弱な立場にいる障がい者の多くが日々の食料にも困窮する状況に陥っています。こうした中で、AARではヤンゴンに住む障がい者、障がい児家庭に対して、食糧や衛生品、生活費を配布する活動を実施しています。ミャンマーの現状とAARの取り組みをご報告させていただきます。
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支援物資を配布する職員

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Sabirullah Memlawal(サビルラ・メムラワル)氏

アフガニスタン現地NGO・Your Voice Organization(YVO)代表

プロフィール:アフガニスタン東部ナンガルハル県生まれ。「力がモノをいう」環境に育ち若い頃は武力に傾倒するが、のちに日本国際ボランティアセンター(JVC)職員となり、米軍の誤爆に抗議する話し合いを通じて武力ではなく対話での問題解決を目指すようになる。2019年から現地団体YVO代表。2019年に沖縄を訪問(写真は平和祈念資料館にて)。

報告内容の要旨:JVCアフガニスタン事務所が2019年に現地団体として独立したYVOは、JVCの活動を引継ぎ、ナンガルハル県において女性を中心とした若者と成人への識字教育、住民が平和と非暴力について互いに学び合う「ピースアクション」の活動を行っています(ピースアクションは日本のNGO「平和村ユナイテッド」と連携)。8月のタリバンによる権力掌握後は、他のNGOとともに活動再開に向けてタリバンと交渉。女性を対象にした識字教室にも再開の許可が出ました。人びとの生活の厳しさが続く現地の状況とNGOの取り組みについて報告します。(日本語逐次通訳を予定)
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YVOが行っている平和の学び合いワークショップ

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山本 裕子(やまもと ゆうこ)氏

NPO法人シェア=国際保健協力市民の会 在日外国人支援事業担当

プロフィール:保健師、看護師。兵庫県立大学大学院博士前期課程(修士)看護学研究科国際地域看護学専攻修了。病院勤務や山谷での訪問看護等を経験後、青年海外協力隊員としてホンジュラスで母子保健活動や保健ボランティア育成等に関わる。2009年より外務省 NGO 専門調査員として現職の業務に携わった後、2010年より現職。事業部総括、外国人母子保健支援などを担当。

報告内容の要旨:当会は、プライマリ・ヘルス・ケア、人を育てることを大切にし、地域に根差した活動を38年にわたり行っています。現在はカンボジア、東ティモール、日本の3か国で活動しています。他の国際保健NGOと違い、日本国内で30年にわたり外国人を対象とした保健活動を展開していることは、当会の特徴の1つです。在日外国人支援事業を開始した1991年頃は、オーバーステイ状態で働く外国人労働者が数多く存在し、社会は彼らに頼っていました。一方、オーバーステイとなっている外国人の取り締まりが厳しくなる中、南米出身の日系人が定住者として働けるようになり、急増した時期でした。健康保険や言葉の問題など様々な理由で医療にかかれず困っている外国人が増え、無料の健康相談会を開催することから始めました。その後、医療電話相談、HIVなどの医療通訳派遣、東京都と連携した外国人結核患者治療服薬支援員(医療通訳)の育成や派遣、在日タイ人自助グループ「タワン」によるエイズ啓発活動と自立支援、保健医療従事者対象セミナー開催等幅広く活動してきました。2016年には、新たに、東京都内における外国人母子の母子保健サービスへのアクセス改善を目標とした活動を開始しました。現在は、女性普及員(ネパール人保健ボランティア)と共に妊産婦訪問を行い、情報提供や必要なケースの橋渡しを行う活動や、杉並区との協働提案事業としてのネパール人妊婦を対象とした母親学級開催などの活動、外国人母子の健康を守る切れ目ない支援のために、母子保健分野での積極的な通訳活用や連携体制作りなどの活動に力を入れています。今回は、現在行っている母子保健プロジェクトを中心にご報告したいと思います。