【児童労働反対キャンペーン】家事使用人の少女支援のはじまりーSTORY#02

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家事使用人の少女支援のはじまり-あの頃、私たちは何を想い、考えたのか

シャプラニールの児童労働の問題への取り組みは、2000年、バングラデシュのストリートチルドレンの支援から始まりました。そして、2006年からは「家事使用人として働く少女支援」へ。

『シャプラニール児童労働反対キャンペーン2021』では、児童労働の実態を伝えるとともに、シャプラニールの児童労働への取り組みについてお伝えしています。今回は、「バングラデシュの家事使用人として働く少女支援」の事業立ち上げから事業の初期を支えた3名の元職員に、そのとき感じた児童労働の問題に対する想いや、家事使用人として働く少女たちへの想いをうかがいました。

あのとき、何を想い、何を考えたのか、紐解きます。


当時、バングラデシュでストリートチルドレン支援活動を担当していた中森さん。子どもたちがいつでも利用できるドロップインセンターや青空教室を実施する中で、出会うのは男の子ばかり。「なぜ?女の子はどこにいるの?」そんな疑問がいつも頭の中にあったそうです。調査を進めていく中で見えてきた、隠れた児童労働の実態。そして「女の子」たちの過酷な現状を目の当たりにし、新たな活動を提案したその時の想いとは。

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PROFILE

中森あゆみ(なかもり・あゆみ)
2001年、シャプラニール入職。国内活動、バングラデシュ駐在員、クラフトリンク、海外活動を歴任。駐在時はストリートチルドレン支援事業に従事しながら、「家事使用人として働く少女支援」の現地調査、事業立案した。2007年に退職後、外務省、国際協力機構(JICA)、NGO、国連開発計画(UNDP)などで、エチオピア、南スーダン等に駐在。専門は平和構築とジェンダー。

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STORY#02 「女の子たちはどこ?」隠れた児童労働

 

長年の「なぜ?」が、見えてきた

ドロップインセンターにて中森さん

ドロップインセンターにて、中森さんと子どもたち

「ドロップインセンターを利用する子どもたちに極端に女の子が少ないことを疑問に思った私は、「女の子がいないはずはない。」という思いを抱えながら日々活動をしていましたが、ある年にストリートチルドレン事業の評価事業を行った際、やっと「女の子」に辿り着くことができました。

子どもたちが村を離れたあと、どのような経験をして、どこへいくのか、子どもたちの話をもう一度丁寧に聞き取りながら、1週間かけてスタッフ皆で分析しました。男の子たちは「ストリート」の茶店などで働きはじめ、その段階で支援活動のスタッフに出会うのに比べ、女の子は使用人などとして個別の家の中で職を得て、そこでさまざまな辛い体験をしたのち、逃げるように居場所を転々としながら最後に飛び出すような形で路上に出てくることが浮かび上がってきました。そのため、私たちのように路上にいる子どもにコンタクトする方法では、女の子には支援の手が届きにくかったことが分かったのです

*ドロップインセンター:子どもたちが、安心してごはんを食べたり、寝泊りしたり、一緒に遊んだりすることができる施設。シャプラニールは現地NGO「オポロジョ・バングラデシュ」とともに24時間体制で運営していた。

社会が容認してきた児童労働

当時はストリートチルドレンの問題がやっとバングラデシュで社会問題として認識され始めた時期であり、家事使用人として働く女の子の問題に取り組んでいるNGOは、いくつかのごく小規模なものをのぞいてほとんどありませんでした。NGO職員も含めた、本来なら問題を解決すべき立場の者にとっては、自分たちこそが雇用主として、必ずしも幼い女の子ではないものの、家庭で使用人を雇う当事者でもあったことから、問題を直視ししにくいことも取り組みの遅れの一因だと思われました。(注:適切な年齢の人を公正な雇用形態で使用人として雇うことに問題はありません。)

シャプラニールの使命、活動に寄せる想い

ドロップインセンターで遊ぶ子どもたち

ドロップインセンターで遊ぶ子どもたち

このような、バングラデシュの社会において一種の「タブー」にあたる問題も、シャプラニールならば、「外からの目」を使って問題提起できるのではないか。ぜひこの問題に正面から取り組んでみたいと考え、家事使用人の女の子の実態調査を計画し、支援活動を提案する準備に取りかかりました。

この問題の取り扱いの難しさ、繊細さ、そして何より女の子たちの気持ちにしっかりと寄り添うことができる信頼に足りるパートナー団体探しには、大手から小規模な団体まで、何団体とも面会し、じっくり話をしながら時間をかけて行いました。最終的に、縫製工場で働く女性たちのための工場内託児所や、スラムでの活動などを行っていた「フルキ(Phulki)」(現パートナー団体)に決まりました。フルキは家事使用人として働く少女の問題に取り組むのは初めてでしたが、話し合いを重ねていく中で、この問題の根深さや核心を理解し、これまでの経験を生かして少女たちに寄り添い、私たちの思いを一緒に形にする力があると強く感じたため、協働をお願いしました。

あれから10年以上が経った今でも、この事業がシャプラニール、パートナー団体の絶え間ない努力と、そして何より支援者の皆さまの温かいお気持ちのおかげで継続されていることを、自分も親になった今、これまで以上に嬉しく思っています。

>>>【NEXT】STORY #03 子どもたちの生きる力

【STORY #01】日常にある家事使用人の実態
【STORY #02】「女の子たちはどこ?」隠れた児童労働
【STORY #03】子どもたちの未来を切り拓く力

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