報告会レポート「ダッカ襲撃事件から1年~テロ後のバングラデシュとシャプラニールの活動~」

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こんにちは。国内活動グループインターンの和栗です。

2016年7月1日に発生し、日本中に衝撃が走ったダッカ襲撃事件では、日本人7人を含む22人がテロの犠牲となりました。
この事件から1年が経過したことを受け、7月15日(土)に報告会「ダッカ襲撃事件から1年~テロ後のバングラデシュとシャプラニールの活動~」を開催しました。

当日は暑い中、リスク管理コンサルタントの方、フェアトレード団体の方など様々な業界から30名もの方々が参加してくださいました。

当日の様子

報告者であるダッカ事務所長の菅原は、ダッカ襲撃事件以前の2015年9月末に発生したイタリア人殺害事件、さらにその数日後に発生した日本人殺害事件を受け、テロの脅威が高まっていったと話します。
シャプラニールは、テロ事件発生前まで運用していた危機管理体制ではテロの脅威に充分に対応できないと判断し、大幅な見直しを行いました。それは以下の4点に大別されます。

1.情報収集と共有
・ダッカ事務所と東京事務所間で情報共有を徹底。

2.マニュアル類と運用見直し
・平常時から危機収束後の復旧まで、一連の行動指針を示した「リスク管理ガイドライン」と緊急時の行動指針を示した「危機管理マニュアル」の2本を作成。
・危機管理専門家からのアドバイスを受け、具体的な状況を想定した演習を実施。

3.物理的な安全対策
・日頃から行ってきた現地社会に溶け込む振る舞いに加え、事務所にCCTVカメラを設置、看板の撤去、敷地境界部分にフェンスを設置するなどの対策実施。

4.駐在員個人の安全対策
・ターゲットとならないため、目立たない行動を保つ他、行動に関するルールの遵守。通信手段の確保など。

当日の様子2

菅原は、日本人職員と現地スタッフの間で、テロの脅威に対する認識に温度差を感じており、緊急時の演習はその温度差を埋めるよい機会になったと話します。

続いて、事業活動への影響については、JICA委託事業の契約遅延が発生したものの、事業進捗自体にはほぼ影響なかったとのことです。

テロの脅威に晒されるバングラデシュで活動を続ける理由については以下の3点が示されました。
1.縮まらない「格差」の存在
2.テロに屈しない
3.これからの世界のカタチ模索-NGOが社会を変えるインパクトを持つ可能性
以上の理由から、シャプラニールは今後も南アジアで活動を続けていきます。

質疑応答では、前ダッカ事務所長の藤﨑も加わり活発な意見交換が行われました。

Q:ダッカ襲撃事件の教訓は?
A(藤﨑):ダッカ襲撃事件以前のイタリア人殺害事件の報道を聞いて衝撃を受け、個人的にリスクが高まっていると感じた。危機的事態宣言をするように東京事務所に連絡したが、東京事務所の反応は鈍く、現場と日本で温度差があった。組織として社会の動きに敏感になり、リスクを察知することが重要。
Q:日本人職員のバングラデシュ国内出張は今後どうする見込み?
A(藤﨑):ドナーの意向もあるが、出張は行いたい。現場感覚を失うとNGOの活動はできず、結果的に日本の信頼も低下する。安全管理も含めたNGOの能力低下が起きることが懸念される。

この他にも多くの質問が寄せられました。

当日配布したアンケートからも、参加者の方々から様々なご意見・ご感想をいただきました。

【参加者の方々からの声(アンケートより抜粋)】
・テロ以後1年、シャプラニールがどのような対策を行ったか、とてもわかりやすく説明してくださってありがとうございます。今後の見通し、特に地方出張再開の判断の難しさを確認できたことはためになりました。
・テロ後の活動とのことで、想像していた通り、管理が厳しい状況での活動・生活をされているのだと思いました。その状況の中で今後も活動を続けていくことに期待しています。

私にとってもダッカ襲撃事件は、日本人もテロの対象となるという現実を突き付けられた衝撃的な事件でした。
テロの脅威が高まり、バングラデシュを撤退する企業や団体もある中、シャプラニールは事業を止めてはならないと判断し、活動を継続させています。
その判断には責任を伴い、リスクを回避するために常に細心の注意を払っていく必要があります。
その姿勢に「国際協力のプロ」として貧困問題に向き合うという強い意志を感じました。

国内活動グループインターン 和栗佳代

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