東日本大震災から6年 -いわきに残ったつながりの形-

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いわきに残ったつながりの形

こんにちは、国内活動グループの佐藤です。
東日本大震災から6年。シャプラニールは、福島県いわき市に拠点を置いての活動を昨年2016年3月に終了しました。
シャプラニールが震災後にどのようにいわき市で活動を開始したか、共に活動した支援者やいわきに暮らす人々の思いについては、昨年9月に発行した活動報告書「いわき、1846日」に詳しく記載していますが、シャプラニールにとっては国内で初めての緊急救援活動となりました。

いわきに拠点を置いての活動は終了していますが、私たちの5年間の活動がいわきに残っているなと実感できることがあります。

その一つが交流スペース「ぶらっと」から発展したサークル活動です。

交流スペース「ぶらっと」

交流スペース「ぶらっと」での佐藤(中央右)

災害時に配慮の必要な高齢者、障害者、女性、子どものカテゴリーには含まれないながら、被災後さまざまな形で孤立が懸念されている中高年の男性が気軽に集まれるように始まった将棋のサークルは、人数を徐々に増やしながら活動を継続しています。
多種多様な被災状況の背景を持つひとりひとりが、趣味を通じて和気あいあいと過ごせる場所があり、そこに集まる有志の力で運営されています。

また、いわきに避難した住民が立ち上げた双葉郡の自治会は、いわき市沿岸の公営住宅に暮らす市民との交流を継続しています。
「お互いを理解しよう」という思いは共通していて、餅つきなどの交流会を定期的に開催しています。
これからもいわきで暮らしていくという思いが深まっていることを感じます。

 
 
居場所の必要性

いわきで開設していた交流スペース「ぶらっと」は、被災者、避難者に特定せず誰でも立ち寄れる「居場所」としての機能を大事にしてきました。
5年間の活動を終了するにあたって、シャプラニールの活動をどのように感じていたかのアンケートを実施した際、実に多くの方から「ぶらっとに救われた」といった声が寄せられました。

2015年のネパール大地震では、ネパール版「ぶらっと」ともいうべきコミュニティラジオ局に併設したコミュニティスペースに被災した人が集まる「居場所」が作られました。
昨年2016年4月に発生した熊本の地震では、ピースボート災害ボランティアセンターの緊急救援活動に参加する形で勝井職員とともに現地入りしました。活動した益城町における緊急救援ではさまざまな課題に直面しました。
災害時要配慮者の支援は、東日本大震災の経験からあれだけ改善が必要だと言われていたにもかかわらず、まだまだ行き届いていませんでした。

災害で奪われた自分の「居場所」を取り戻すために何ができるのか…。

支援物資の中に入っていた本を集めて、余震の緊張感で張り裂けそうな大人も、不安で眠れなくなっていた子どもも集まれる小さな図書室を作り、冷え込む朝晩に温かい飲み物を提供できる小さなカフェを作ったのも、いわきの経験からです。

そこに何とか使えそうなパイプいすをいくつか並べて置いておくだけで、人が集まり地震への恐怖や不安を口にし始めました。
ずっと心の中に溜まっていた不安を外に出すだけで、かなりのストレスが軽減されることは、話をしているだけでこちらに伝わり、緊急時にもこうした一時的な「居場所」があることで、ほんの少しだけでも心を回復させることができるのだと実感しました。

東日本大震災から6年の時間が流れていますが、震災の後の人々の暮らしは100人100通りです。
やっと仮設住宅を出て復興公営住宅に入居できた人もいれば、原発事故の影響で福島から離れ全国各地に避難し暮らす家族もいます。
それぞれの6年の中で、どうか、ご自身にとっての「居場所」が見つかっていてほしいと願います。

そしてシャプラニールは、いわきでの緊急救援・復興支援活動を経て今後高い確率で起こりうる災害に対応できるような仕組みづくり、全国でシャプラニールの支援者の皆さんへ防災への取り組みをともに進められる計画策定など、活動を深めていきます。

国内活動グループ 佐藤緑(元いわき駐在員、震災対応統括)


前述のいわきでの活動報告書「いわき、1846日」は会報と共に会員、マンスリーサポーターの皆さまへ郵送しています。
改めて報告書をご希望の方はシャプラニールまでご連絡ください。
【ご連絡先】 電話:03-3202-7863 メール:info@shaplaneer.org


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