2023年5月に広島でG7サミットが開催されるのを受けて、G7各国の首脳へ市民社会からの声を届けるための活動が大詰めを迎えています。主要国首脳会合の開催に合わせて、「エンゲージメント・グループ」と呼ばれる、国際社会におけるステークホルダーにより形成された政府とは独立した分野ごとの団体が、関連行事を主催します。

経済団体(Business, B7)、市民社会(Civil, C7)、労働組合(Labor, L7)、科学者(Science, S7)、シンクタンク(Think, T7)、女性(Women, W7)、ユース(Youth, Y7)が、それぞれの分野で活動する世界中の団体の代表によって構成され、G7で議論される各関心分野について、提言を発表するなどの活動を行っています。

昨年ドイツで開かれたエルマウサミット、一昨年のイギリス・コーンウォールサミットでも同様の取り組みが行われています。日本では、2019年のG20大阪サミット、2016年のG7伊勢志摩サミット、2008年のG8北海道洞爺湖サミットなどでも、市民社会からの提言を行ってきました。尚、先日、LGBTQ+の人権保護・政策提言に関する世界初のエンゲージメント・グループとして(Pride7, P7)が発足しています。


C7として前年のドイツサミットから引き継ぐ形で、開かれた社会(Open and Resilient Societies)、人道支援と紛争(Humanitarian Assistance and Conflict)、経済的正義と変革(Economic Justice and Transformation)、気候と環境正義(Climate and Environmental Justice)、国際保健(Global Health)というテーマで具体的な提言を行うワーキング・グループを設置し、それぞれのテーマに関心のある団体がメンバーとなって提言作成の議論を行っています。また今回は、広島でのサミットということもあり、日本独自のワーキングループとして核兵器廃絶(Nuclear Disarmament)が追加されました。
C7公式ウェブサイト(英語):https://civil7.org/


広島サミットへ向けて、新たに「G7市民社会コアリション」というネットワーク組織が立ち上げられました。これは、これまでC7の取り組みが国際的な活動で主に英語でのやりとりになることもあって、せっかくの日本開催のサミットであっても、日本で活動する市民社会組織があまり参加していないという反省から、C7の取り組みと日本の市民社会をつなぐ役割を果たすことを目的としています。3月14日現在、118団体・72個人が賛同し会員となっています。シャプラニールは監事団体としてこのコアリションの幹事会に参加しています。

4月13,14日には東京でC7サミットを開催する予定で、世界各地からのゲストを迎え、市民社会から各国政府へ向けた提言を発表します。また、4月16,17日には、G7サミットが開かれる広島で「みんなの広島サミット2023 ~G7広島サミットに市民の声を届ける~」を開催。広島を舞台に、ここでも市民社会の声を発信します。興味・関心のある方は、是非参加していただければと思います。

事務局長 小松豊明