2004年12月26日に発生したインド洋大津波から10年が経ちました。その当時私はシャプラニールのネパール事務所長として赴任しており、3日後の12月29日に緊急救援活動のためスリランカへ飛びました。全く片付けの手が付けられておらず、場所によっては遺体もまだ放置されているような状況の中、被災した人々の話を聴いて回るところから始めました。

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▲自宅があった場所で残されたものを探す人々

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▲崩れ落ちた家の前で座り込む女性

支援物資を配布する地元NPOへ資金提供するのと同時に、瓦礫を撤去するボランティア活動が始まるということで、そこへの協力を行いました。政党や労働組合を単位としたボランティア活動が各地で盛んに行われていました。

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▲瓦礫の撤去作業を行うボランティア

また、生活を再開するために必要な井戸の洗浄や、田畑の除塩、仮設住宅の建設支援などを行い、合せて1年間ほどの関わりを持ちました。その後スリランカの復興状況についてはニュースやインターネットで知る程度となりましたが、東日本大震災と比べても2ケタも違う犠牲者を出した津波の被害から、被災者のみなさんが立ち直っていることを願うばかりです。

美しい海辺のすぐそばに暮らす多くの人々が、津波が来ることも知らず、逃げるべき高台や高い建物もなかったことから、たくさんの犠牲者が出てしまいました。その教訓は今どのように活かされているでしょうか。東日本大震災の被災地の今後を考える上で、10年前に起きた大災害の被災地の現状から学ぶことがあるのではないか、と改めて考えています。