今日から一日16時間停電が始まってしまった。1日だけ12時間という日があるので、計算してみると週108時間となる。いずれにしても理解を超えた状況である。

一ヶ月ほど前、自宅にも大容量UPSを取り付けたので、各部屋電灯1つと電源一つを確保したので自宅にいる限りはなんとかなる。ただ、冷蔵庫の中身の傷みが早くなってきたようで、冷蔵庫としての機能はあまり期待しないほうが良いかもしれない。

町中が暗くなって夜間の移動は不安を感じるようになってきたし、暗くなると店が早く閉まるなど、生活すること自体が大変になってきている。巷では病院も電気がなくて治療ができない、酸素ボンベが不足しているなどというニュースを聞くようになり、在住日本人の間では「病気にならない、事故に遭わない」が合言葉になっている。

こんな状況なので停電の友であるラジオは健在だ。いつもは英語放送(BBC)ばかりを聞いているが、ダイヤルを回していたらおもしろい番組を耳にした。「探し物コーナー」である。5分ほどの短い放送で、まずは行方不明の男の子についての情報提供を求めるもの。おじさんの所に行くといって連絡がつかなくなっているという話で、その時に着ていた衣服の特徴などを伝えていた。

おもしろかったのは牛を探しているという人からのもの。白に黒ブチのその牛くん、ラリトプールのある地域で行方不明になってしまったらしい。インドほどではないものの、カトマンズでも道端をのんびりと牛が歩いているのを見かけることがある。牛は帰巣本能が強い動物らしく、普通はきちんと(持ち主の)家へ帰っていくそうなのだが、何かの理由で帰れなくなってしまったのだろう。

探し物をしている人はこのFMラジオにコンタクトすれば放送してくれるそうだ。「ネパールの将来を探しています」と連絡してみたら、果たして誰かから情報をもらえるだろうか。