今日はどうしても終わらせておきたい仕事があったので、残業して仕事をしていたら急に停電になってしまった。一緒にいたスタッフは「少し待てば電気が戻るかも」と楽観的だったが、1時間近くたっても電気が来ない。

P1010055.jpg東京にメールを送りたいのに、資料ファイルはスタッフのコンピューターの中。UPS(無停電電源装置:急な停電の時でも短時間ながら電気を供給してくれる)も止まってしまい、手元にあるのはプリントアウトしたものだけ。事務所ではファックスも使えないので、帰り道に外から送ることにした。

事務所からあるいて5分くらいの場所には電気が来ていたので、ファックス屋を探した。小さな店が並ぶ中にあったファックス屋、外見は文房具屋なのだが、店のカウンターには電話3台とファックスが鎮座しているのですぐそれとわかる。

<写真はファックス屋の主人が送ってくれているところ、神妙な顔つきだった>

P1010057.jpg電話が普及しているとは言いがたいネパールでは、カトマンズであっても電話屋の需要は多い。親子のような二人連れが家族に電話を掛けていたようで、大学生くらいの女の子は「うん、うん。帰りたいけど今お金がないから…」と言っていたのを聞いて、ちょっと胸がキュンとなった。

それぞれの電話には電光掲示版のようなものがついていて、大抵は壁などにかかっているのだが、通話時間と料金が表示されるようになっている。ネパールに赴任したばかりの頃、私も日本に住む親に電話をしたことがあるのだが、目の前にある電光掲示版の数字がガンガンはね上がり、落ち着いて話ができなかったことを思い出した。

農村開発プロジェクトを行っているオカルドゥンガも電話が少ない。村で仕事をしているスタッフと話がしたければ、村のバザールにある電話屋に「○○さんに、電話をしてと伝えてください」とお願いし、折り返し連絡がくるのを待つことになる。電話をかけたらそこに話したい相手がいるというのは、実は贅沢なことなのだなあとネパールにいると思う。